2023年08月31日、韓国の統計庁が「2023年07月の産業活動動向」を公表しました。
⇒参照・引用元:『韓国 統計局』公式サイト「2023年07月の産業活動動向」
結論からいいますが、大変よくありません。
生産・消費・投資の全てが減少しました。
全産業生産指数(季節調整・農林漁業を除く)は「109.8」(2020年=100)で対前月比「-0.7%」。
この「産業生産の減少」は04月の「-1.3%」以来のこと。
韓国政府は不景気から脱出するために、05・06月に財政出動を前倒しして早期執行に乗り出したのですが、これが07月になって停止。政府支出は「-6.5%」と大きく減少しました。
この減少の影響を受けて、
・製造業:-2.0%
・鉱工業生産:-2.0%
・電子部品:-11.2%
・機械装備:-7.1%
・半導体:-2.3%
など製造業の主力製品の生産は急減しました。民間の景気が悪いときは政府が支出を増やして回さないといけないのは当然ではありますが、政府が支出を止めたとたんに、民間の生産がここまで下がるというのは、やはり異常です。
韓国は「補助金大国」あるいは「政府依存」といわれたりしますが、この数字は図らずもそれを証明しているともいえそうです。
まずいのは、消費が前月より「-3.2%」と急減したことです。
コロナ禍に見舞われた2020年07月に記録した「-4.6%」以来の下がりっぷりです。
自動車の販売台数が-12.3%と大幅減少したのは、自動車個別消費税引き下げ措置が06月に終了したのが原因としても、消費の下げぶりはまずいサインです。
重要な設備投資は「-8.9%」と驚くような下落ぶりです。
この「-8.9%」は、2012年03月に記録した「-12.6%」以来で最大の墜落です。
生産・消費・設備投資のトリプル減少という惨状です。
以下が対前月比で3つがどのように推移しているかをグラフにしたものです。
これをなんとか救いたいでしょうが、残念なことに韓国政府にはお金がないのです。
先にご紹介したとおり、2023年は税収が落ち込んでおり、財政出動したくても財源がありませんし、国債を積み上げる余力もありません。
だんだん二進も三進もいかなくなってきました。下半期に景気が反騰しなければ……。
(吉田ハンチング@dcp)