韓国で左派・進歩系の内ゲバが拡大しています。
先にご紹介したとおり、現在、韓国では04月10日に行われる「第22代国会議員総選挙」に向かって政争の嵐が吹いています。
監獄に行きたい人など誰もいませんから、誰もが生き残るために必死です。
「保守寄り vs 左派・進歩系」という戦いだけではありません。左派・進歩系の中でも醜い足の引っ張り合いが行われています。
親李在明派が親文在寅派に「立候補させない」と圧力をかけている!
そもそも、最大野党『共に民主党』の現党首である李在明(イ・ジェミョン)さんは一匹狼的な人で、手下はいても手を組める同輩はいません。
李洛淵(イ・ナギョン)さんは手切れして『新しい未来』党を旗揚げしましたし、李在明(イ・ジェミョン)さんは党内に残った親文在寅派とは仲が悪いです。
李在明(イ・ジェミョン)さん自身が「文在寅さんとは遺恨があって仲が悪い」のに、親李在明(イ・ジェミョン)派が「親文在寅派」議員と仲がいいわけありません。
ここにきて、親李在明派と親文在寅派の軋轢が大きくなってきました。
これを解消するためか、2024年02月04日、李在明(イ・ジェミョン)さんと文在寅さんが会合を持ちました。
↑いい写真です。李在明(イ・ジェミョン)さんが暴漢に襲われた傷を文在寅さんが見ています。
なぜ「親李在明派 vs 親文在寅派」となっているかというと、親文在寅派の人が立候補するのを、親李在明派が阻止しようとしているからです。
なぜ親李在明派が親文在寅派を圧迫しているのかといえば――表向きは「尹錫悦(ユン・ソギョル)政権を弾劾するのが今度の選挙なので、青瓦台出身者が立候補されると負けるかもしれないから」となっています。
世にもあほらしいのですが、「そもそも李在明(イ・ジェミョン)さんが尹錫悦(ユン・ソギョル)に大統領選挙で負けたのは、文在寅政権に参加した奴らのせいだ」という考えもあります。
左派・進歩系を支持していた人ですら「文在寅はやり過ぎた」と考えた――というわけです。
「今さらそんなこと言ってもさあ」なのですが、この意見に従えば、元法務部長官の秋美愛(チュ・ミエ)さんなどは論外なわけです。
ただし、本心としては(文在寅政権下で政府高官を務めたような)親文在寅派の人間が当選して勢力を伸ばされたら困るからです。
親文在寅派が当選しても、親分である文在寅さんが喜ぶだけで、李在明(イ・ジェミョン)さんはちっともうれしくありません。
(本当は)大嫌いな文在寅の子分が議員になり、増えると、李在明(イ・ジェミョン)さんは文在寅さんに頭が上がらなくなるからです。
政治は数です。
李在明(イ・ジェミョン)さん、また親李在明派としては、親文在寅派の立候補を押さえて、自陣営の議員数を増やしたいのです。
文在寅派として困るは、立候補者に対する「党の公認権」が党首である李在明(イ・ジェミョン)さんに握られていることです。
李在明(イ・ジェミョン)と文在寅が会うが……
――で、今回の李在明(イ・ジェミョン)党首と文在寅さんの会合で対立が解消されるのか、です。
『共に民主党』全体では、「親李在明派と親文在寅派が争っていると総選挙に負けてしまう」と認識されています。しかし、個別の議員、また立候補したい人にとっては「なぜ私が立候補できないんだ」になります。
各人にとっては「監獄行きを懸けたゲーム」(鈴置高史先生の名言)ですから、党全体のことよりも切実なのです。
李在明(イ・ジェミョン)さん、文在寅さん両人とも相当な「タヌキ」です。外面はニコニコ、和気あいあいとして見せますが、本当は遺恨があってお互いに大嫌いです。
また、手下の数は、自分の将来に関わりますので譲れません。
李在明(イ・ジェミョン)さんと文在寅さんの動きに要注目です。
文在寅さんは、大統領を退任するときに「(退任以降は)世間から忘れ去られて暮らしたい」などと言っていたのに、現在の政治情勢を見ると、本心としては「院政を敷きたかった」ように見えます。
(吉田ハンチング@dcp)