中央銀行が債券を発行して資金を調達しなければならない――なんて話は、そもそもおかしいのです。だってお金が必要なら刷ればいいんですから。売りオペ・買いオペを行うなら国債を使うのが普通です。
しかし、韓国の中央銀行『韓国銀行』はいまだに「通貨安定証券」を発行し続けています。
この通貨安定証券の発行し過ぎ、利払い過多によって、『韓国銀行』は中央銀行だというのに赤字に陥ったことがあります。「世界唯一の赤字の中央銀行」といわれ、世界の珍銀行でした。
世界中から「お金を刷れる中央銀行がどうして赤字になるの?」と驚かれたのです。
これも一つのOINK(Only In Korea)といえるでしょう。
2024年04月15日、『韓国銀行』は「2023年 支払決済報告書」を公表したのですが、この中に「通貨安定証券」の発行・償還についてのリポートがあります。これがちょっと面白いことになっています。
以下をご覧ください。
2023年
発行:129.6兆ウォン(23.8%)
償還:120.6兆ウォン(-8.9%)※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2023年 支払決済報告書」
2020~2022年と通貨安定証券の発行を減少させてきたのに、2023年に突然23.8%も増加しました。129.6兆ウォンですので、約130兆ウォン発行しています。
さらに面白いのは、発行・償還のバランスです。
2020~2022年は、発行よりも償還の方が多く推移しています。償還の方が多いということは、つまり残高を減少させてきたのです。
ところが、2023年は「発行:129.6兆ウォン」「償還:120.6兆ウォン」と残高を増やしています。これは『韓国銀行』の利払いが増加したこと、また残高を増やさなければならない状況だったことを示している――と思われます。
(柏ケミカル@dcp)