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韓国の鉄鋼最大手『POSCO』営業利益が約4割も蒸発。中国のせいだ

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2024年07月25日、韓国製鉄業界の雄『POSCO(ポスコ)』が2024年第2四半期の業績を公示したのですが、これが全然いけません。

以下をご覧ください。

2024年第2四半期
総売上:18.5兆ウォン-8.0%
営業利益:0.8兆ウォン-38.5%
当期純利益:0.5兆ウォン-37.5%

( )内は対前年同期比の増減
『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト

対前年同期比で売上が「8.0減少」し、営業利益は「38.5%」も減少しています。約4割も利益が蒸発したのです。

2024年上半期の累計で見ると以下のようになります。

2024年上半期
総売上:36.5兆ウォン-7.3%
営業利益:1.4兆ウォン-30.0%
当期純利益:1.1兆ウォン-31.3%

振るわない実績ですが、なぜこんなことになったのかというと――世界的な需要低迷で、中国の過剰生産性が韓国に向かったためです。例えば、以下は韓国の「中国産鋼板」の輸入量の推移です。

2023年は驚くなかれ「112万2,774トン」で、対前年比で73.3%も増加しています。輸入量は1.73倍になったのです。

2024年もこのイナゴのような動きは続いており、01~06月の上半期だけですでに「68万8,367トン」に達しています。このペースでいけば、中国製鋼板の輸入量は130万トンと超え、140万トンに迫る量となるでしょう。

中国は不動産業が低迷しており、内需が低迷しているのでその過剰生産性を外国に向けており(安価で外国に輸出)、韓国市場はその割を食っているのです。

中国製鋼板の輸入価格は70万ウォン/トンで、韓国内の流通価格に比べてトン当たり10~20万ウォン安い――とされています。

一方で、安価な中国産鉄鋼の恩恵を受けているのが韓国の造船業です。そもそも受注しても「もうからない」ダンピング業界ですから、材料の鋼板が安くなってくれるのは大変に助かるわけです。

しかし、材料を中国に握られてしまうと、中国が輸出を絞ったりしたときに造船業が「鋼板大乱」となって立ち行かない――という事態に陥りかねません。

サプライチェーンに中国を入れるのは危険です。

韓国は自国の鉄鋼業の保全・維持を考えて、中国に対する警戒を強めるべきなのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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