中国主導で2016年につくられた多国間開発銀行(MDB)『AIIB』。
『AIIB』は、(一応)インフラ投資を通じた経済開発を支援するための国際機関なのですが、中国主導ということで世界的には微妙な目で見られています。
なにせ、『AIIB』は中国が議決権の26.61%の議決権を持つ組織。重要な意思決定には75%以上の賛成が必要なので、事実上中国が拒否権を有しているのです。『AIIB』内での意思決定プロセスは、多国間協力を装いながらも、中国の意向が強く反映されます。
この『AIIB』で中国の手下と位置づけられているのが韓国です。
しかし、韓国はあまり「いい役」を回してもらえません。
下掲記事でご紹介したとおり、韓国の企画財政部では(よせばいのに)世界的な金融機関の高位職に「韓国人」を送り込むという野望を持っています。
しかし、中国共産党主導の『AIIB』ではなんだかうまくいきません。韓国メディア『ソウル経済』に「韓国人が『AIIB』副総裁の選に漏れた」という記事が出ました。以下に記事より一部を引用します。
中国が主導する国際金融機関である『アジアインフラ投資銀行』(AIIB)の副総裁職の国際公募で、韓国人候補が落選したことが確認された。
『AIIB』だけでなく、『国際通貨基金』(IMF)など主要な国際金融機関でも副総裁や事務総長以上の高位職が欠けており、国際金融市場における韓国の発言力が弱まるのではないかとの懸念が出ている。
関係機関によると、金融委員会出身のA氏は最近、『AIIB』副総裁職の公募過程で脱落したと伝えられた。
A氏は金融委員会の幹部出身であり、企画財政部の幹部を務めたB氏と競り合い、韓国側の『AIIB』副総裁最終候補に決定されていた。
韓国は2016年の『AIIB』創設直後、副総裁職を輩出したことがあった。
当時、最高リスク管理責任者(CRO)のポストに洪起澤(ホン・ギテク)前『産業銀行』会長が任命されたが、彼は『大宇造船海洋』の問題で突然の休職を届け出て姿を消し、その後辞任した。
それ以来、韓国は8年間にわたり『AIIB』副総裁のポストを得ていない。
(後略)⇒参照・引用元:『ソウル経済』「AIIB 부총재직 또 무산」
国際的な金融機関の上位職に「韓国人が見当たらない」と嘆いています。
また「国際金融市場における韓国の発言力が弱まるのではないか」と懸念も表明。
「国際金融市場における韓国の発言力」などありましたっけ?――という話なのですが、このような自信過剰で身の程知らずな発言こそ韓国の皆さんの真骨頂です。
1997年のアジア通貨危機、2008~2009年の韓国通貨危機、2020年のドル枯渇危機※など、国際金融市場における韓国の発言はいつも「助けてくれ」「ドルをくれ」だったのですが、もうすっかり忘れているようです。
※2020年03月は『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)がドル流動性スワップ(韓国側呼称は「通貨スワップ」)を提供しなければ恐らく韓国はドボン騒動を起こしたでしょう。スワップライン締結後ソッコーで約80億ドルも借りました。
国際的金融機関の上位職を「韓国のために動く」職と考えているようです。
国連事務総長に、チンパンジー激似の潘基文が就任した際に、韓国人ばかりを採用して「歴代最低の事務総長」といわれたことを思い起こさせます。
また『AIIB』の人事を見れば、中国共産党が韓国人の扱いに習熟していることが分かります。
(吉田ハンチング@dcp)