↑産業通商資源部公式サイトのトップページもこのようにガス田開発モードとなっています。ノッてますね。
韓国の産業通商資源部は「日本海でガス田を当てる!」の信念に燃えています。
監査シーズンですので『韓国石油公社』(以下「石油公社」と表記)も監査対象となっており、2024年10月17日、「2024年末に試掘を開始する」という日本海ガス田開発の件で質問を受けることになりました。
このガス田開発試掘については、面白い法の抜け穴が利用されています。
普通は、総事業費2,000億ウォン以上の公共事業については予備妥当性調査が行われ、承認を受けないといけません。
質問に立った『共に民主党』議員からもこの点が突かれたのですが、『石油公社』は、
「来る12月に予定されている1次掘削はそれ自体が別途の事業で、事業費は1,000億ウォン水準であるので予備調査対象には該当しません」
と言い抜けました。
「待て、おい」と言いたくなるようトンチですが、なかなかやるものです(一応褒めています)。
『共に民主党』議員も「なんちゅう言い訳だ」と思ったかもしれませんが、『共に民主党』も褒められたものではありません。
(よせばいいのに)現在も進行している加徳島新国際空港建設は、文在寅の鶴のひと声で、「この事業については予備調査不要」という特例法が国会で可決され※、進められました。
※『共に民主党』議員の賛成多数で進められました(ね、バカでしょう?)。
どうも、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は「どうしても掘りたい」ようです。
「とりあえず5本穴掘ってみよう!」という話
ちなみに、この日本海ガス田開発の総事業費は「5年間で5,761億ウォン」と策定されています。
そんな金額でできるかよ!なのですが、これは「試掘坑1本掘るのに約1,000億ウォン」とされるので、とりあえず5本分をまとめました――という金額に過ぎません。
さすがの韓国政府も「これでできる」とは考えていません。試掘坑を5本掘って、いい結果が出たら金策などいくらでもできるわ!――と考えていると推測できます。
産業通商資源部はノッてますよ!
野党『共に民主党』だけではなく、韓国メディアからも「本当にやるのか?」という疑念が呈されているので、産業通商資源部からは以下のような「メディアに対する釈明(反論)」文書が出ています(2024年10月17日付け)。
(前略)
10月17日(木)、『オーマイニュース』は「大統領が自信を持っていた大王クジラ、『石油公社』内部の雰囲気は違った」という記事を報道しました。<同報道内容に対する立場>
東海深海ガス田開発は、資源安全保障、国民経済に及ぼす効果が非常に大きいため、大統領が直接発表した。『石油公社』が成功可能性に疑問を提起したという記事の内容は事実ではなく、『石油公社』は膨大な探査規模と探査成功率を考慮すると、長期的な視野で持続的な探査が必要であるというメッセージを伝えようとしたものであるという立場である。
一方、東海(原文ママ:引用者注)深海探査掘削費用は1孔当たり約1,100億ウォンで、5孔の掘削に約5兆ウォンかかると予想される。
(『オーマイニュース』が報じた:引用者注)2兆5千億ウォンかかる可能性――という内容は事実と異なる。
政府はこれまで広範なデータを基に有望な構造を導き出し、国内外の専門家の諮問と東海深海ガス田開発戦略会議などを経て徹底的に検証し、国内外の多くの専門家は探査成功率約20%を「相当である」と評価している。
また、政府はこれまで探鉱リスク、財源調達などを考慮し、国内外の投資誘致の必要性を詳細に説明してきたが、今後も関係省庁、業界、専門家と持続的にコミュニケーションを図りながら、ガス田開発を円滑に進めていく計画である。
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「(설명자료)동해심해 가스전 프로젝트는 자원안보, 국민경제에 효과가 크므로 대통령이 발표」
本件に産業通商資源部がノッてない――という報道を否定、また「2兆5千億ウォンかかる」という方も否定しました、
陸上で議論していても仕方ないので、とりあえず掘ってみるのはイイでしょう。問題は――空振ったときには、その責任は全部大統領と政府機関が負うことになる――という点です。
(吉田ハンチング@dcp)