VIXはMoney1で紹介したように「恐怖指数」という呼ばれ方もする指数(INDEX)です。投資家の心理を反映するINDEXで、通常であれば「10-20」の範囲で動くとされます。
2月初週のアメリカ株式市場の暴落はVIXが原因だという説があります。そもそもの引き金は01月にあったアメリカでのインフレ懸念です。
1.金利の上昇
2.金利上昇で株式のバリュエーションが懸念される
3.株式の売りが起こる(利益の確定と資金の移動)
4.VIXが上昇
5.VIXの上昇によって株式の売りが加速
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VIXが原因だとしても最後の局面での爆発に一役買ったという識者と、いやそうではないという識者がいらっしゃるようです。
面白かったのはVIXインバース連動商品がドボンになったこと。VIXインバースというのは、VIXと逆の動きをするINDEXです。
VIXが1%下がるとVIXインバースは1%上がる
ようになっています(設計されています)。VIXが急上昇したために、VIXインバースと連動している金融商品は軒並み急落。たとえば「NEXT NOTES S&P500 VIXインバースETN」は、2万9,400円だったのに、たった1日で「1,146円」になりました(以下のチャートは『Yahoo!ファイナンス』より引用)。
なんと96%の大暴落!
を記録したのです。そのためこのETN(指標連動証券)の早期償還が決定されました。
他にも「ベロシティシェアーズ・デイリー・インバースVIX短期ETN」では「118ドル」が「7ドル」になる「94%の下落」など、VIXの逆に張った金融商品は阿鼻叫喚の地獄絵図となりました。
ここにきて「VIXは操作されている」という話に注目が集まっています。
2016年5月に、テキサス大学大学院博士課程の学生、アミン・シャムスさんが、ジョン・グリフィン教授との共著で発表した論文で、「VIXが操作されている可能性」について指摘しているとのこと。
上記のとおり大損害を被った投資家がいますし、2年前の論文に改めて注目が集まっているというわけです。
(柏ケミカル@dcp)