火事の件で『現代自動車』と『LGエネルギーソリューション』が大揉めです。
韓国『現代自動車』の電気自動車で火事が起こっている件です。先にご紹介したとおり、電気バス「ELEC CITY(エレク・シティ)」が韓国史上初の走行中の火事を起こし、いよいよ『現代自動車』の電気自動車を見る目が厳しくなってきました。
『LGエネルギーソリューション』は認めていない!
焦点は、やはり「バッテリーセル」です。
『LGエネルギーソリューション』(旧『LG化学』)が製造したバッテリーセルに不良があったために火事になったと韓国の国土交通部は公表したのですが、『LGエネルギーソリューション』は原因はまだ特定されていないと現在もそれを否定しているのです。
火事が起こるため、『現代自動車』はようやくバッテリーセルの交換を行うつもりですが、これを巡って『LGエネルギーソリューション』ともめています。
というのは、該当車すべてのバッテリーセルを交換するには大変な費用がかかるからです。また悪いことに電気自動車「コナ・エレクトリック」は大変に売れたため、上掲のプレスリリースの段階で2万5,564台がリコール対象です。
総額費用は1兆ウォン(約9,600億円)と見込まれるのですが、『LGエネルギーソリューション』は「うちのバッテリーが原因とはまだ確定していない」としているので、1兆ウォンという総額、また分担の割合などで合意できないのです。
ソフトのアップデート後も火事が起こっている!
「コナ・エレクトリック」のリコールは、2020年10月16日から開始されました。しかし、そのリコールを『現代自動車』は充電を満タンまでさせないように制御する、といったソフトウェアのアップデートで済ませるものでした。
つまり、バッテリーセルを交換となると費用もかさむし、ソフトのアップデートなら楽と、言葉は悪いですがお茶を濁そうとしたわけです。
ところが、このリコール後も火事は起こっています。ですから、やはり『LGエネルギーソリューション』のバッテリーセルに原因があって、それを交換しないことには火事騒ぎは収まらないのではないのか?と推測できます。
――というわけで、やっと根本的な解決になるであろう「バッテリーセルの交換」に重い腰を上げたのですが、費用の負担で大揉めなのです。
※リリース内では「現代自動車で製造、販売したコナ電気自動車は、車両の充電完了後、高電圧バッテリーの電池セルの製造不良による内部短絡(ショート)、火災が発生する可能性が確認され、10月16日から是正措置(ソフトウェアの更新と点検後、バッテリーの交換)に入る」となっています。
(吉田ハンチング@dcp)