自動車の話題が連続して申し訳ないのですが、ピックアップすべき事案が連発しておりますのでどうかご寛恕くださいませ。
中国市場を取り返せ!が韓国自動車産業の喫緊の課題
Money1では何度かご紹介していますが、韓国の自動車産業は中国でのシェアを急速に失っています。
中国企業が技術をキャッチアップして低価格の自動車でシェアを伸ばし、ブランドイメージや信頼性ではドイツ車、日本車には勝てないからです。
サンドイッチ状態になっているわけで、これはスマホと同じ道をたどっているといえます。
高級車投入の尖兵が『現代自動車』の「ジェネシス」
これを打開するため、『現代自動車』『起亜自動車』は新たな戦略で中国市場を再攻略することを考えているのです。
先にご紹介したとおり、「対中国戦略 ライジング・アゲイン・フォー・チャイナ(Rising Again For China)」というものものしいタイトルがついていますが、そのプランの中に「高級車」を投入してブランドイメージを刷新というものがあります。
高級車の尖兵となるのが、『現代自動車』の「ジェネシス」と期待されています。比類なきプロゴルファー、タイガー・ウッズが事故に遭ったときに乗車していたクルマです。
2021年04月02日、『現代自動車』は上海クルーズターミナル(北外灘)において「ジェネシスブランドナイト」なるイベントを催し、ジェネシスの正式な中国上陸をアピールしました。
↑3,500台のドローンを使って上海の夜空にメッセージやロゴを描いて見せた。PHOTO(C)「ジェネシス」Official
ただし、中国での評価はあまり芳しいものではありません。例えば、以下のような具合です。
从定位来看,现代汽车旗下的捷尼赛思品牌,与日系豪华品牌的“三驾马车”——丰田旗下雷克萨斯、日产旗下英菲尼迪、本田旗下讴歌等品牌的定位大同小异,成熟国际车企进军高端已是常规操作。但和另外几家对比,捷尼赛思作为韩系高端品牌的代表,存在感并不强。
ポジショニングからすれば、『現代自動車』の「ジェネシス」ブランドと、日本の高級ブランドの「トロイカ」(『トヨタ』のレクサス、『日産』のインフィニティ、『ホンダ』のアキュラ)のポジショニングは似ている。
成熟した国際的な自動車会社がハイエンド市場に参入するのは普通のことである。
しかし、他の数社とは対照的に、韓国のハイエンドブランドの代表格である「ジェネシス」には、あまり存在感はない。
豪华品牌当中抛开百年历史积淀的BBA,即便是对比均成立于上世纪80年代的雷克萨斯、英菲尼迪、讴歌,捷尼赛思也没有太丰富的故事可讲。既没有日系品牌工匠精神的情怀,也没有德系车企机械至上的标签,无论是从品牌历史还是市场积累方面,捷尼赛思似乎都要逊色几分。
ラグジュアリーブランドの中でも、100年以上の歴史を持つBBAは置くとしても、1980年代に創業した「レクサス」「インフィニティ」「アキュラ」と比較しても、「ジェネシス」には豊かなストーリーがない。
日本のブランドのような職人技もなければ、ドイツの自動車会社のような機械至上主義のレーベルもなく、ブランドの歴史や市場の蓄積という点では「ジェネシス」は劣っているように思える。
著者:Li Yupeng
韓国の「ジェネシス」には豊かなストーリーがない、と断じています。中国では韓国の自動車の高級ブランドというのがピンとこないのでしょう。
「ジェネシス」さっそく「つまずく」話
大々的に上陸宣言を行った「ジェネシス」ですが、さっそくつまずくようなことが起こりました。
中国国家市場監督管理総局は『HMGC』(『現代自動車』の中国法人)から「ジェネシス」1,703台のリコール申請を受けたとのこと。
ただしこれは過去に生産され、中国で販売されたモデル(主に2014~2016年生産)で、今回公式に上陸した最新モデルではありません。
のがリコールの理由。「HECU」というのは、ABS(アンチロックブレーキシステム)、ESC(電子走行安定制御)などが統合された制御装置のことです。
また火事の恐れかと、ここまでくるといささかうんざりしますが、しかし修正しないことには仕方ありません。せっかく大々的にデビューしたのに大丈夫なのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)