韓国の次期大統領選挙まで4カ月を切り、いよいよ政争が激化しています。
一騎打ちと見られる『共に民主党委』候補の李在明(イ・ジェミョン)さんと『国民の力』候補の尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの批判合戦も激しさを増し、選挙戦たけなわという感じです。
劣勢となっている李さんの発言の方が激しく、中には興味深い発言もあります。
「デジタル大転換」って何?
2021年11月23日、ソウルの『共に民主党』本部で記者会見を開き、「デジタル大転換」事業に国費と民間投資で135兆ウォン(約13兆円)を投じて200万個以上の雇用を創出する
なんの話かとしているのかというと、デジタル技術を活用する領域を拡大して新たな事業を生み、雇用を創出しよう――というビッグな企画とのこと。デジタル技術をもっと多くの領域で利用しようという点を「デジタル大転換」と表現しているわけです。
「IoT・クラウド、5G・6Gなどのインフラを整備。IoT技術で集めたビッグデータをクラウド方式で共有し、AIで状況を分析。その結果を生産に迅速に活用できるようにする」と述べ、5G・6Gの「デジタル高速道路」政策を推進するとしました。
次世代っぽい単語を集めてみました、みたいな発言になっていますが、「デジタル・ハイウェイ」とはまた懐かしい言葉です。李在明(イ・ジェミョン)さんによれば「次世代通信技術で新次元のデジタル高速道路を作る」とのこと。
李在明(イ・ジェミョン)さんは「6G衛星通信技術の研究開発を支援し、我々が世界標準を主導するようになるだろう」とも述べています。
しかし、「Beyond 5G」「6G」で韓国が世界を主導するとはとても思えません。
自由主義陣営では5Gの失敗を懲りて、中国を入れない形で次世代規格を決めようという動きをしており、残念ながら韓国が入れるとは考えられないからです(中国に飲み込まれる、あるいは自分から飲み込まれにいく可能性があるので合衆国が了承しない)。
「135兆ウォン」「200万の雇用」も根拠はない!
今回の李在明(イ・ジェミョン)さんの発表の最大の突っ込みポイントは、「135兆ウォン突っ込む」としたその資金は誰が出すのか全く明確になっていない点にあります。
国費と民間投資としていますが、これは文政権であった「K-ニューディール」「K-半導体」「K-バッテリー」などと全く同じです。
文在寅政権が『サムスン電子』『SKハイニックス』『LG化学』などの有力企業を呼びつけて「お前らが出せ」と一方的に発表したのと同じです。
さらにさかのぼれば「基幹産業安定基金」や「株式市場安定基金」「債権市場安定基金」なども全く同じです。先に金額と構想だけ発表し、後は国策銀行『産業銀行』などに丸投げ。
これら文政権がぶち上げた構想やファンドは実が成ったでしょうか? 「いいえ」です。つまり、李在明(イ・ジェミョン)さんが今回ぶち上げた構想も同様の結果になると見ることができ、全く信用するわけにはいきません。
『サンドウィッチマン』の富澤さんならこう言うでしょう。
「ちょっと何言ってるか分からない」。
(吉田ハンチング@dcp)