韓国政府与党『共に民主党』の統一大統領候補・李在明(イ・ジェミョン)さんが、2021年01月04日、自身が知事を務めた京畿道にある『起亜自動車』の工場を訪問。
記者会見を開き、「韓国の大転換と国民大跳躍のためのビジョン」を大々的に発表しました。
『起亜自動車』工場を選んだのには理由があります。
2001年、金大中(キム・デジュン)大統領が「『IMF』管理体制からの卒業宣言」前日に訪問した過去があるのです。
読者の皆さまもご存じのとおり、韓国は1997年に「アジア通貨危機」に飲み込まれて『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)管理下に入りました。韓国にとっては『IMF』の指導の下、財閥の解体が行われるなど、既存のシステムが木っ端微塵に粉砕された屈辱的な経験です。そのため、韓国では時に『IMF』のことを「死神」と呼ぶほどです。
今回李在明(イ・ジェミョン)さんは、「金大中大統領の『IMF』危機からの卒業」の故事を踏まえて、以下のような発言を行いました。
「大韓民国は4大危機に襲われる多層的危機状況にあった」
「今回の大統領選挙は『危機の大韓民国を誰に任せるか』を決定する選挙だ」
「いつよりも豊富な経験と検証された実力を備えたリーダーが必要だ」
李在明(イ・ジェミョン)さんが「4大危機」というのは、
●低成長・格差拡大の危機
●気候・技術競争の危機
●グローバル覇権競争と朝鮮半島の危機
を指しています。それにつけても「いつよりも豊富な経験と検証された実力を備えたリーダー」というのは自分を指しているわけで、よく自分で言えるものです。これぐらいは言えないと韓国の大統領選挙は戦えないのかもしれませんが。
また、
「総合国力世界5位(G5)を目標に国民所得5万ドルに向かって進む」
と高らかに述べました。コレは公約と受け取っていいのでしょうか。
懸念されるのは、アメリカ合衆国、中国との関係です。
李在明(イ・ジェミョン)さんは、(仕方がないことですが)合衆国、中国の両方を「パートナー」と呼んでおり、
「理念と選択の論理を越える『国益中心実用外交』で覇権危機を克服する」
と述べています。つまり、「コウモリ外交」を続けると宣言したことに他なりません。韓国が「国益中心実用外交」なるものを自称しても、合衆国と中国がそれを認めるかどうかは別問題です。
この次期大統領候補の発言を聞いて、中国は「少なくとも合衆国側に全力で走っていくことはない」とほくそ笑んだかもしれませんが、恐らく合衆国はげんなりしたでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)
(吉田ハンチング@dcp)