小ネタです。誠に申し訳ありません。
アメリカ合衆国のペロシ下院議長が台湾を訪問し、台湾の皆さんから大歓迎を受けました。現役の下院議長訪問は25年ぶりのことで、合衆国の台湾への支持を示すものですから、蔡英文総統との会談も熱いものとなりました。
なにせ、大統領に何かあったら、副大統領の次に下院議長が大統領職を引き継ぐことになります。大統領権限継承順位がNo.2です。
ペロシ下院議長は合衆国にあってはそれほど地位が高い人なのです。
尹大統領はペロシ議長に会いません!
ペロシ下院議長は2022年08月03日に台湾を出発、翌04日には韓国を訪問する予定です。
ところが、驚くべきことに、韓国の大統領室は「尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領と会談の予定はない」としているのです。
大統領権限継承順位No.2の現役政治家が訪韓するのに、韓国の大統領は会わないのです。
会わない理由が傑作で、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は現在「夏季休暇」に入っており、そのためにスケジュールに含めなかった――とのこと。
また、大統領室の誰も面談の予定がないというのです。
外交部長官(外務大臣に相当)の朴振(パク・ジン)さんは、ASEAN外相会議でカンボジア・プノンペンに出掛けており、いません。
誰が会談するのかということになるのですが、金振杓(キム・ジンピョ)国会議長(野党『共に民主党』所属議員)です。
いくら国会議長だといっても、政権から失陥した野党の議員です。しかも大統領は夏休みで会わなというのは、ペロシ下院議長に対して礼を失する行為になるのではないでしょうか。
家でゴロゴロしているヒマがあるなら、会えばどうなのか、です。
なぜ尹大統領はペロシ議長に会わないのか
それにしても尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領はなぜペロシ下院議長に会わないのでしょうか。尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは、そもそも政治畑出身ではないのですから、せっかく訪韓した要人に顔を売るぐらいはしてもよさそうなものです。
理由は「中国」ではないでしょうか。
先にご紹介したとおり、日米との外交デビューはすでに行い、今度はいよいよ中国と渡り合わなければなりません。中国はすでに「三不の誓いは守るんだろうな、あーん?」という恫喝を行っており、韓国は相当な苦戦が見込まれます。
朴振(パク・ジン)外交部長官が間もなく中国に向かうと予測されています。
そんな折も折、あれほど「台湾に行くな」と釘を刺されたのに、中国の意向を完全に無視したペロシ下院議長が韓国にご到着されるのです。
ここで尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領がペロシ下院議長を大歓迎したら……中国の猛烈な怒りの矛先は、間違いなく韓国にも向かうでしょう。
中国からすれば「敵の味方は敵だー!」な理論です。「お前らは一つの中国原則を乱したペロシなんかを歓迎するのか」と怒鳴られること請け合いです。
これから中国からの矢玉をかいくぐらなければならない韓国とすれば「韓国に来ないでくれー」という心境だったのではないでしょうか。
しかし、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領がペロシ下院議長と面会もしないとなると、合衆国からすれば、「あ、うちの高官とは会わないのね。ふーん、やっぱりキミたちは中国側なんだな」と見えるでしょう。
コウモリというのはつらい生き方です。
※ただし、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領がペロシ下院議長と会談を行わないというのは2022年08月03日午前中の情報です。
(吉田ハンチング@dcp)