ウクライナ戦争のおかげでLNGの入手が難しくなりました。欧州はロシアと対立しているため、特に割を食っているのですが、深刻な余波が韓国をも襲っていることが分かりました。
LNGの在庫は10日分余りまで激減!
2022年08月02日時点で、『韓国ガス公社』が持つLNG(液化天然ガス)の在庫量が「137万トン」しかないと判明しました。
これは「10日分余り」の量です。
LNGが枯渇してブラックアウトするんじゃあるまいな、と懸念
韓国は、前文在寅性政権のときに急激にクリーンエネルギー政策に舵を切り、炭素排出量が少ないからとLNG火力発電を推進しました。
しかし、燃料がなければ発電できません。
韓国メディア『韓国経済』によれば、『ガス公社』は「年末までに1,000万トン近いLNGを追加で導入しなれば、冬季のエネルギー大乱を防ぐことができない」と報告したとのこと。
02日時点でLNG備蓄量は総備蓄容量(557万トン)のわずか25%に過ぎません。
過去には、
2021年8月:53%
だったので、直近の25%というのは異常に低い数字です。
これは、需要の増加と供給不足が同時にきたために起こりました。
世界的な熱波で電気の消費量が増え、発電所の燃料需要が急騰しました。同時に、ロシアが無法な戦争を起こしたため供給が細くなっています。
『韓国ガス公社』は、急遽「LNG需給現況点検会議」を開催して、2022年に導入するLNGの総量を3,883万トンから4,125万トンに拡大。
しかし、それでも足らないと予測し、さらに追加で957万トンを導入しなければならないと産業通商資源部に報告したのです。
しかし、問題はこの追加分を今から確保できるか?――です。
『韓国経済』の記事は、関係者の話として「08月と09月が分水嶺になるだろう」「今すぐLNG確保に総力を上げなければならない」と書いています。
産業通商資源部は「心配無用!」と一蹴
この「危ないのではないか」というメディア報道に対して、2022年08月08日、産業通商資源部は以下のような説明プレスリリースを出しました。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください。⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「政府は冬季天然ガス需給管理に支障が発生しないように必要物量の早期確保および需要削減などを推進中である」
このプレスリリースによれば、08月07日時点でのLNG備蓄量は「181万トン」、総備蓄容量の「34%」にまで増加しているとのこと。
また、「11月にLNGの在庫が貯蔵施設の約90%水準に到達できるよう、去る4月から現物購入などを通じて積極的に確保しており、07月だけでも約345万トンを追加確保している」と説明。
簡単にいえば、産業通商資源部は「やるべきことはやっている。余計な心配だ」と、韓国メディアの指摘を一蹴したのです。
さて、産業通商資源部の読みどおりにLNGが確保できるでしょうか。答え合わせは3カ月後になりますが、ご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)