秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官がしばしば述べているとおり「韓国経済は複合危機に襲われている状況」なので、外国人投資家が市場から資金を抜いているかどうかは注目ポイントです。
2022年12月09日、『韓国銀行』が「11月の国際金融・外国為替市場動向」を公表しました。この中に、韓国株式市場、債券市場における外国人投資家の資金動向のデータがあります。
以下をご覧ください。
このデータの金額は、買収金額から売買金額を引いたもので、つまり純買い越し金額を示しています。プラスなら買い越しで、マイナスなら売り越しになります。
11月は、株式市場で+21.0億ドル、債券市場で+6.3億ドルと非常に低調でした。一応、合わせて+27.4億ドルの資金流入ですが。
2022年は11月時点で「+80.5億ドル」の資金流入。ご注目いただきたいのは、株式市場で「-64.0億ドル」のセルコリアとなっていて、あと1カ月ですので、2022年も外国人投資家は売り越しで終わることになりそうな点です。
上掲のとおり、
2020年:-182.4億ドル
2021年:-174.4億ドル
ですから、2022年が売り越しのマイナスで締まるとセルコリアを3年続けたことになります。外国人投資家は韓国から足抜けしているのです。
また、債券市場は11月までで「2022年:+144.5億ドル」で、一応資金流入ですけれども、
2020年:+217.1億ドル
2021年:+561.5億ドル
と比較して、明らかに減少しています。債券市場ではお金を入れるのを絞ったのです。
注意しておきたいのは、2021年に561.5億ドルと巨額の債権を外国人投資家が買い越している点です。債券ですので、これは利子をつけて元本も返済すべきものです。つまり、巨額の借金に他なりません。
残り1カ月ですが、韓国市場は外国人投資家からはあまり評価されなかった、という結果でになりそうです。
(吉田ハンチング@dcp)