小競り合いが続いているという件です(笑)。
韓国に物流大乱をもたらした『民主労総公共運輸労組貨物連帯本部』(貨物連帯)のストライキは、15日間で終了しました。韓国政府が強硬な姿勢を取り続け、業務開始命令で圧迫したのが効きました。
輸送を拒否していたドライバーは業務に復帰。国土交通部によると、2022年12月09日、17:00時点でコンテナの搬出入量、セメント出荷量、精油出荷量は平常時水準に回復。
『KBS』の報道によると、
(前略)
1日のコンテナ搬出入量は、全国12港で平時比124%を記録しました。特に釜山港は132%でストライキの2日目だった11月25日以来最高値を超え、セメントも平時比112%水準で出荷されました。精油輸送量も増え、在庫が売り切れたガソリンスタンドも減りました。
(後略)⇒参照・引用元:『KBS』「貨物連帯業務復帰…主要拠点輸送スムーズ」
ストライキで失った分を取り返そうとしてフル回転している模様です。これには尹錫悦(ユン・ソギョル)政権もほっと一息でしょう。
問題は、そもそもの原因であった「安全運賃制」をどうするか、です。これは3年の時限制だったので、2022年末で終了します。
貨物連帯はこれの延長(時限制の撤廃と無期限延長)を求めていました。ストライキに入る前の交渉では、韓国政府側は「3年間の延長は認めよう」としていましたが、貨物連帯は不服として無期限ストライキに突入。
――で、貨物連帯側は捨てゼリフのように「安全運賃制の3年延長は守れよ」と述べてストを終結させました。
ところが、元喜龍(ウォン・ヒリョン)国土交通部長官は「ストライキをしないなら3年間の延長を認めてもいいという話だった。それを破ってストライキを行った以上は安全運賃制は再検討」という態度で、貨物連帯の責任を問う――としているのです。
貨物連帯がこれで収まるわけはなく、
・国家人権委員会に提起の準備
・国際労働機関(ILO)と国連(UN)にも書簡を送って介入を要請
を行っています。
騒ぎはむしろ国際機関も巻き込んだものになるかもしれません。
また、2022年12月10日、ストライキを終えたばかりの貨物連帯は、政府が安全運賃制の3年延長の約束を守らないかもしれないと、さっそく政府に抗議する集会を開催しました。
「安全運賃制死守、労組破壊の尹錫悦政府糾弾、国民の安全無視の国会糾弾」決議大会です。
集会には(主催者発表で)1,000人が参加。
「適切な安全運賃制のための闘争第2幕に入ったことを意味する」としています。
しかし、正面突破が信条の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領にどこまで効くかは疑問です。
果たしてストライキの第2幕が上がるのかどうかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)