韓国の若大将こと韓東勳(ハン・ドンフン)法務部長官は三面六臂の大活躍をしており、そのため国民からの人気も上昇しています。
実際、『韓国ギャラップ』のアンケート調査で「次世代のリーダーとしてふさわしい人物」に、李在明(イ・ジェミョン)さんに次いで人気があったりします(李在明さんがなぜ人気なのかは不明)。
政府与党『国民の力』の議員からは「韓東勳(ハン・ドンフン)が党首でもいいんじゃないか」と声が上がるほどで、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の支持率向上にも一役買っています。
その韓東勳(ハン・ドンフン)長官ですが、2022年12月28日にも国会で存在感を見せつけました。『共に民主党』の盧雄来(ノ・ウンレ)国会議員の逮捕に賛成を求めたのです。
この盧雄来(ノ・ウンレ)さんは6,000万ウォンの収賄疑惑・違法政治資金献金についてソウル中央地検から逮捕状が請求されています。ソウル中央地検は証拠隠滅の恐れがあるとして逮捕状の請求に踏み切ったのです。
ところが、国会議員には国会本会議が開催されている間は逮捕されないという、いわゆる「不逮捕特権」があります。それでも議員の過半数が出席した国会において過半数の賛成があれば逮捕することが可能です。
↑国会で逮捕案に同意を求める韓東勳(ハン・ドンフン)長官(山崎邦正似)。
そのため韓東勳(ハン・ドンフン)長官は、国会の場で盧雄来(ノ・ウンレ)議員の逮捕について同意案を上程することになりました。
韓東勳(ハン・ドンフン)長官は、
「盧議員は2020年02月から12月にかけて、5回に渡り、ブローカー・パク・モ氏側から発電所事業請託名目、龍仁物流センター認可・斡旋請託名目、太陽光発電事業請託名目、国税庁人事請託名目、『東西発電』人事請託名目などで6,000万ウォンの賄賂および不法政治資金を受けた」
「同僚国会議員に対する逮捕同意の有無を決定する上で、まず、証拠は確かなのか、二つ目に国会議員を逮捕するほど重い犯罪なのかを考慮されるだろう」
と述べ、証拠がすでに確実なものであると以下のように発言しました。
「(盧議員は)具体的な請託を受けた後、お金を受け取り『前回いただきましたが何をすればいいのか』と言う盧議員の声、お金の封筒がやり取りされる音までもそのまま録音されている」
「ご存知のように、私は過去20年間、重要な不正腐敗捜査を数多く直接担当してきたが、不正なお金をやりとりする現場がこにように鮮やかに録音されている事件は見たことがない」
韓東勳(ハン・ドンフン)長官のいう録音データが本当に存在するのであれば、盧雄来(ノ・ウンレ)議員がお金を受け取ったのは確実と見られます。
しかし、この逮捕同意案は否決されました。
議員271人出席で、
・反対:161票
・棄権:9票
という結果でした。
(事実上)169議席※を占める野党『共に民主党』議員が反対に回ったのです。『共に民主党』の国会議員からは、「偏向捜査をやめろ」「金建希(キム・ゴンヒ:尹錫悦大統領の奥さん)は捜査しないのか」といったヤジが飛びました。
※韓国国会議員の定数は300人。
しかし、韓東勳(ハン・ドンフン)長官は「大韓民国の全ての国民に同じように適用される当然の基準が盧雄来(ノ・ウンレ)議員にだけは適用されてはならない理由を私は見つけることができない。常識的な国民も皆同じ思いだろう」と述べています。
残念ながら逮捕案は否決されましたが、国民はこの結果を見ています。
今回は逃れることができても、国民は国会議員という特権的な立場を利用して犯罪から逃れようとする人物を決して忘れてはなりません。このような人物を次の選挙で絶対に落とさなければなりません。それが有権者の権利であり義務です。
日本においても同じです。
(吉田ハンチング@dcp)