2023年01月04日、『韓国銀行』が2022年12月時点での外貨準備高を公表しました。以下です。
2022年12月
外貨準備高:4,232億ドル(約55兆3,673億円)※
(前月比:+71億ドル)<<内訳>>
⇒Securities:3,697億ドル(約48兆3,679億円)
(証券類)
前月比:+41億ドル⇒Deposits:293億ドル(約3兆8,333億円)
(預金)
前月比:+27億ドル⇒SDRs:148億ドル(約1兆9,363億円)
(IMFのSDR(特別引出権))
前月比:+2億ドル⇒IMF position:45億ドル(約5,877億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:+1億ドル⇒Gold:48億ドル(約6,280億円)
(金)
前月比:増減なし※円換算は2023年01月04日「1ドル=130.83円」のレートで算出
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「Korea’s Official Foreign Reserves(As of the end of December 2022)」
当月の注目はSecurities(証券類):41億ドル、Deposits(預金):27億ドルと共に大きく増加したことです。外貨準備高全体では「71億ドル」も増えています。
『韓国銀行』は、この増加の理由について以下のように説明しています。
ㅇ国民年金との外国為替スワップ(一時的減少要因)の影響にもかかわらず、金融機関の外貨預金およびその他の通貨外貨資産の米ドル換算額が増加※したのに起因
※12月中に米ドル価値が約2.8%低下(未ドル指数基準)
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2022年12月末の為替保有額」
国民年金基金にドルを供給したにもかかわらず、金融機関の外貨預金が増加、またドル安によってドル以外の外貨資産のドル換算額が膨らんだため――としています。しかし、これではSecurities(証券類)がなぜ41億ドルも増加したのかの説明にはなっていません。
『韓国銀行』の外貨準備高の増減についての説明から「外為市場の安定のために……」がなくなりました。2022年12月のドルウォンを見てみると以下のようになります(チャートは『Investing.com』より引用:月足)。
2022年12月は11月に続いて長い陰線。「始値:1ドル=1,301.72ウォン」から「終値:1ドル=1,260.92ウォン」までウォン高が進行しました。
このおかげでウォン安阻止のための「ドル売りウォン買い」を行わずに済んだのです。このため、11月に続き12月も外貨準備高が減少せず、上昇に転じました。
ここまでの韓国の外貨準備高の推移を見ると以下のようになります。
上掲のドルウォンの月足チャートと見比べてみると分かりますが、ウォン高方向に進んだ10月に外貨準備高は下げ止まり、ウォン高方向への劇的進行と共に11月、12月増加しています。
ウォン高方向へ戻して外貨準備を溶かさずに助かった!――なのです。
(吉田ハンチング@dcp)