韓国の産業通商資源部が「金(Gold)」に対する投資が増加している――とのデータを示しています。
まず、金の輸入額が爆増しています。
2025年01~11月の累計「金の輸入額」は73億3,000万ドルと、2024年の金輸入額「25億4,000万ドル」の約3倍に急増しました。
1997年のアジア通貨危機時(韓国呼称は「IMF危機」)の「65億1,000万ドル」を上回っています。
注目されているのは「金ETF」です。
「金ETF」とは何か?
「金ETF」というのは金の価格に連動するよう設計された上場投資信託のことです。
株と同じように証券取引所で売買できますが、値動きの源泉は金価格にあります。投資家からすると、株式と同じように証券取引所で売買できます。
金ETFとひと口に言っても、以下の2タイプがあります。
❶Physical Gold ETF(現物連動型)
⇒運用会社が実物の金(インゴット)を保有しなければなりません。
⇒ETFの純資産価値(NAV)が現物金価格に連動します。
❷Futures-based Gold ETF(先物連動型)
⇒金先物(COMEXなど)を使って運用します。
⇒実物の金は保有しません。
⇒価格連動は先物価格を通じた間接連動
韓国で盛り上がっているのは❶の「現物連動型の金ETF」で、面白いのは、
金ETF運用会社は、加入金額の99%以上を実物金購入に活用しなければならない
――のです。
何を意味しているかといえば、「金だな!」となってこの現物連動型ETFに資金投入する人が増えると――ETFの組成者が金の購入を増やさなければならない――という点です。
これに伴って、韓国内への金の流入も増加します。なぜなら国内に現物がない場合、外国から持ってくるしかないからです。
「金ETF」の時価総額も爆発的に急騰!
では、どのくらい現物連動型の金ETFに資金が流入しているのでしょうか?

↑「KIM ACE KRX Physical Gold ETF」にチャート(チャートは『Investing.com』より引用)。
例えば「ACE KRX金現物」は2025年12月12日(金)時点で、時価総額は「約3兆4,300億ウォン」でした。
2024年末時点での時価総額は「約6,200億ウォン」でしたから、約5.5倍になっています。
この金ETFが注目されているのは「キムチプレミアム」も影響しています。
Money1でもご紹介したことがありますが、韓国での金価格は「韓国内 > 外国」という傾向があり、これを狙ったというわけです。
※キムチプレミアムは暗号資産にもあり、いわゆる「アビトラ」が盛んな市場でした(当時)。
金現物連動型ETFは面白い商品ですが、リスクもあります。
現実の金価格と金ETFの値動きに大きな乖離が発生すると、上場廃止になる可能性があります。
なぜなら「このETFは金(現物)価格の変動を反映します」「投資家は金価格に投資できます」という商品説明がウソになるからです。一時的な乖離は許容されますが、
そのため、取引所は乖離が一定幅を超え一定期間続くと「改善命令」を出し、それでも是正されなければ「上場廃止」――という流れになります。
(吉田ハンチング@dcp)






