アメリカ合衆国で開催されたジャクソンホール会議でパウエル『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)議長がタカ派的な発言をしたため、ウォン安が急進しています。
先にご紹介したとおり、『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は「大丈夫」「問題ない」と断言していますが、「本当に大丈夫なのか」と韓国メディアでは浮足だっています。
『NEWSIS』の記事から一部を引用すると以下のような具合です。
ジェローム・パウエル連邦準備制度(Fed・連銀)議長が26日(現地時間)に開かれたジャクソンホール会議で予想よりもタカ派的(緊縮)発言を行い、市場では09月の連邦公開市場委員会(FOMC)で3カ月連続の「ジャイアントステップ」(一度に0.75%ポイント金利引き上げ)を行うという可能性が有力視されている。
これにドルウォン為替レートが2009年金融危機以後、13年ぶりに1,400ウォンを再び突破するのは時間問題であり、年末には1,500ウォンまで行くこともできるという観測も出ている。
(中略)
ムン・ホンチョル『DB金融投資』研究員は「ひとまずは1,350ウォンを高点で見ている。今ヨーロッパと中国の地合いが危険だが(中略)可能性は低いが1,500ウォンまではあり得る」と話した。
ペク・ソクヒョン『新韓銀行』研究員は(中略)「今のように悪材料が重なる状況となれば1,370ウォンを脅かすことができるが、1,400ウォンまでは見ていない」と予測した。
パク・サンヒョン『ハイ投資証券』研究員は「欧州の天然ガス価格が冬になってさらに高騰すれば(中略)続いて「また、中国が韓国に多くの影響を及ぼすが、中国の景気がここでさらに崩れるとすれば、1,400ウォンまで上昇する要因になるだろう」と付け加えた。
(後略)
記事では「1,400ウォンも時間の問題、年末には1,500ウォン」としていますが、各証券会社の研究員の皆さんは冷静です。「1ドル=1,400ウォン」までいかないのでは――という見方の方が強いようです。
チャートで確認してみましょう。以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用)。
↑赤い水平線が「1ドル=1,400ウォン」、水色の水平線が「1ドル=1,500ウォン」です。
すでに現在も通貨危機水準まできているのですが、1,400ウォン、1,500ウォンになると、本当に「どうするんでしょうねぇ」な域です。
こればかりは市場が決めるので、いくら予測しても当たるかどうかは分かりません。
ただ、通貨安が通貨安を加速する、という事態は十分あり得ますので、韓国通貨当局は楽観はできないでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)