2023年06月19日、韓国の最大野党『共に民主党』の李在明(イ・ジェミョン)党首が「国会議員としての不逮捕特権を放棄する」と宣言しました。
韓国の国会議員は国会会期中は逮捕されないという特権があります。逮捕状が出た場合は、国会に「逮捕同意案」と提出し、出席した国会議員の過半数の賛成を得なければなりません。
Money1でもご紹介したとおり、2023年02月27日、韓国の若大将こと韓東勳(ハン・ドンフン)法務長官が国家に逮捕同意案(身柄拘束のためのもの)を諮ったのですが、『共に民主党』の反対多数で否決されました。
しかし、過半数には及ばなかったものの「賛成:139 vs 反対:138」という僅差でのセーフ。
『共に民主党』の中にも「非李在明(イ・ジェミョン)勢力」が根強いことを明らかにした結果でした。
↑2023年02月27日投票の場での一コマ。思ったよりも旗色が悪くて憮然とした表情の李在明(イ・ジェミョン)議員/スクリーンキャプチャー
次に国会で「逮捕同意案」を諮った場合、今度こそ可決されるのでは……という観測も出ているのです。
で、今回の「不逮捕特権放棄」宣言ですが、国会がまもなく会期ではなくなるのです。
現在は06月の臨時国会が行われていますが、国会法上、07月は与野党の合意がなければ国会が開かれない非会期期間です。国会法で「08月16日に臨時国会を招集する」となっており、その後、09月01日から100日間の定期国会、すぐに予算関連の政局となります。
つまり、06月の臨時国会が終わってから、07月、08月15日までは、何かあって臨時国会が開催されなければ(会期中にならない限り)、李在明(イ・ジェミョン)逮捕を阻むものはないのです。
『共に民主党』が臨時国会の開催を提起して、『国民の力』が合意すれば別ですが、これを行うと「(李在明を守るための)防弾臨時国会」の非難は避けられません。総選挙を1年以内に控えた今、国民からの非難をこれ以上を背負い込むことはできません。
つまり、検察から新たな逮捕状が請求された場合、国民の非難をかわすことはできません。それなら「放棄する」とした方がいい――と判断したと考えることができます。
李在明(イ・ジェミョン)が正々堂々と――などという「いい話」では全くないのです。それどころか「不逮捕特権を放棄した」として国民の関心を向けるためではないのか――です。
(吉田ハンチング@dcp)