韓国の産業通商資源部から「2023年09月の輸出入動向」のデータが公表されました。
月央(09月01~20日)時点で貿易収支が「-4億8,900万ドル」と薄い赤字でしたので、黒字化は予測できたことです。
なぜなら韓国の通関ベースの貿易収支は最後の10日間で大きく黒字化するからです。産業通商資源部はこの現象の理由を「輸出が月末に偏るから」と説明しています。
以下が(暫定版ですが)2023年09月の結果です。
2023年09月
輸出:546億6,000万ドル(-4.4%)
輸入:509億6,000万ドル(-16.5%)
貿易収支(輸出 – 輸入):37億ドル2023年01~09月累計
輸出:4,640億100万ドル(%)
輸入:4,842億7,700万ドル(%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-202億6,700億ドル※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「2023年09月の輸出入動向」
09月は「37億ドル」の黒字となりました。09月20日時点で「約5億ドルの赤字」だったわけなので、09月最後の10日間は「貿易収支:+約42億ドル」で回ったことになります。
最後の10日間で六十数億ドルの赤字を黒字にひっくり返したことのある文在寅政権下よりはマシですが、それでもこの「37億ドルの黒字でした」は「出来すぎ」といえます。
ご注目いただきたいのは、やはり対前年同期比の増減です。
輸出は相変わらず「-4.4%」で、前年割れを続けています。それでも黒字(貿易収支がプラス)になっているのは、輸入が対前年同期比で「-16.5%」と大きく減少しているからです。
輸出が増加しないという状況の中で、輸入がより大きく減って、そのために貿易収支(輸出 – 輸入)が黒字(プラス)になるわけですから、これは「不況型黒字」に他なりません。
2023年の「輸出金額の対前年同期比の推移」を見ると以下のようになります。
対前年同期比の増減のグラフはずっと「ゼロ」の下にあります。韓国の輸出は前年割れを続けており、2023年09月で「12カ月連続」です。
秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官は「09月には回復する」としてきましたが、(通関ベースの)貿易収支は2023年06月から黒字にはなっています。
しかし、前記のとおり不況型黒字の様相を呈しており、決して褒められたものではありません。また、肝心の輸出は前年割れを続けています。現況をもって「韓国の貿易は回復した」とはとても言えません。
※本記事は暫定版集計になるため後で修正を行います。
(柏ケミカル@dcp)