韓国最大野党『共に民主党』の党首・李在明(イ・ジェミョン)議員がまた無茶苦茶なことを言っています。
国会で開かれた最高委員会で「銀国に横財税の導入を推進する」と明らかにしたのです。
※횡재は「思わぬ儲けもの」「思わぬ利益」という意味。漢字だと「橫財」になります。日本語では使われません。
なぜこんなことを言い出したかというと――一般庶民が高金利で苦しんでいる中、銀行圏は過去最大の利益を出している。ケシカラン!――と考えたからです。
実際には以下のように語っています。
「原油価格の上昇、高金利のため、石油精製会社と銀行が史上最高の収益を上げている」
「横財税の導入を推進する」
「“銀行圏による拠出金の造成”または“横財税導入”で作られる財源で、高金利に苦しむ国民の生活を改善しなければならない」
李在明(イ・ジェミョン)さんの言説は、明らかにポピュリズム的なものです。
「他人が儲けているのが我慢できない」「金持ちを引きずり降ろしたい」「オレに分け前はないのか」という韓国の皆さんの気持ちに働きかけているのです。
「オレが糾してやる」とアピールしています。
面白いことに、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領も銀行圏の「利ざや」について指摘をしています。これもまた総選挙をにらんだポピュリズム的な動きだといえます。
そもそも「金利で儲ける」というのは銀行業の根幹です。
金利が上昇したら銀行の利益額が大きくなるのは当然です。そういう商売だからです。目端の利く投資家は、金利が上昇局面と見切った瞬間に銀行株に投資しています。これも当たり前のことです。
金利で儲けることを否定するのは、イスラム原理主義などに近く※、資本主義の否定も同然でしょう。
銀行は何か不法なことをしたのでしょうか? 「NO」です。
利益に対してこれまでの法にない仕組みを作って税を課すという行為こそ不法であり、二重課税ではないのでしょうか。
また、銀行が利益を出せない局面になったら、国が助けるとでもいうのでしょうか?
李在明(イ・ジェミョン)さんの言説がもし実行されるなら、韓国では銀行業など無理です。
金利で利益を最大化した銀行を国民が嫉み、恨んでいる。税金をかけてやる。銀行が主体的に拠出金を出すのでもいいぞ――これが法治国家のすることでしょうか。
韓国最大野党の党首がこのようなことを言い出すのです。韓国は本当に資本主義の国なのでしょうか。
※随分昔にご紹介しましたが、そもそもイスラムの教義では利子を取って人にお金を貸すことは「いけないこと」です。そのためイスラム世界には独特の「イスラム金融」があります。トルコのエルドアン大統領がおかしな金融政策を取るのは、そもそもイスラム原理主義者だからだ、という指摘があります。
(吉田ハンチング@dcp)