最近さっぱり目立たなくなっている韓国の産業通商資源ですが、新たな通商交渉本部長が着任しsています。「ラーメンと海苔とK-POP」などと言い出さなければいいのですが。
鄭仁敎(チョン・インギョ)という人で、着任したのは2024年01月10日。総選挙の前です。尹錫悦(ユン・ソギョル)政権では2代目の通商交渉本部長。前任の安徳根(アン・ドックン)さんは、産業通商資源部の長官に昇進しましたので、空いた席に鄭さんが据えられた格好です。
アメリカ合衆国と中国の対立が深まっていますので、覚悟のできない韓国は板挟みで大変です。特に韓国の先行きが真っ暗ですので、面倒くさいときにややこしいポジションを引き受けたといえるでしょう。
韓国メディア『ソウル経済』が鄭仁敎(チョン・インギョ)本部長にインタビューを行っており、面白い発言を引き出しています。以下に一部を引きます。
2024年05月に発表するという「新通商政策」についてのインタビューで、この政策にはサプライチェーンと経済安全保障、産業・通商戦略を網羅する――というのです。
「『WTO』(World Trade Organizationの略:世界貿易機関)の役割がますます弱まり、メガ協定の重要性がより大きくなっているため、CPTPP加入が早ければ早いほど良いことは確かだ」
「CPTPPの内容と(加入の必要性に対する)方向性は新通商政策に入る」
「(ただし)総選挙後の現状では、核心的な問題である加入の立場を発表する時期とそれに伴う戦略は(新通商政策には)含まれないだろう。(CPTPP加入を目指すと表明する)時期を予断するのは難しい」
「CPTPP加盟は早い方がいい」としながらも、総選挙で負けちゃったので、05月中に公表する予定の「新通商政策には入らない」というのです。
また、LINE問題についても以下のように述べています。
「『NAVER』という企業にどのような利益があるかと共に、国家レベルで考慮すべき点が明らかにある」
「企業の立場が先に整理されたら、国が主導して政府対政府間の協力案を模索すべきだと思う」
「日本側が言及した事項が個人情報流出に対する対策として妥当かどうかについては、私たちが綿密に判断している」
「それでも国際関係というものがあるので、これまで両国が築いてきた信頼が損なわれないように協力して解決しなければならないと思う」
日本人の個人情報を大量に流出させた企業に対する処遇については日本政府が考えることであって、韓国政府と相談しなければならない「いわれ」などありません。
さらに面白いのは、ドルウォンの為替レートについての以下の発言です。
(前略)
「ウォン-ドル為替レートの1,300ウォン台は、すでに韓国経済が耐えられるレンジと思われ、心理的なマジノ線は1,400ウォン台」「円安現象も今年の年末まで続くだろうが、日韓間の産業構造や貿易構造の変化で(韓国に与える)影響は大きくないと思われる」
これはうかつな発言というべきです。
「マジノ線」などというから突破されるのですが、韓国政府の通商交渉本部長が「マジノ線は1,400ウォン台」と明言してしまいました。「知らんぞー」ですね。
(吉田ハンチング@dcp)