2024年07月05日、『韓国銀行』が「2024年05月時点の国際収支統計」を公示しました。以下が経常収支です。
2024年05月
貿易収支:87億5,150万ドル
サービス収支:-12億8,560万ドル
第1次所得収支:17億6,430万ドル
第2次所得収支:-3億770万ドル
経常収支(上記4つの合計):89億2,250万ドル
当月の経常収支は「89億2,250万ドル」とほぼ90億ドルを達成しました。これが可能になったのは、貿易収支が「87億5,150万ドル」と大きな黒字なったためです。
韓国が現在も貿易収支に依存していることの証明のような数字ですが、この大きな貿易黒字が「輸入減少していること」によって達成されている点を見逃してはいけません。
貿易収支は、「輸出 – 輸入」で求めますので、輸入が減少すればその分貿易収支のプラス(貿易黒字)は増加するのです。
同じ05月で2023年、2024年の輸出・輸入金額の比較をすると以下のようになります。
輸出 | 輸入 | |
2023年05月(A) | 530億5,540万ドル | 511億7,180万ドル |
2024年05月(B) | 589億5,350万ドル | 502億200万ドル |
(B) – (A) | +58億9,810万ドル | -9億6,980万ドル |
2023年 ⇒ 2024年 の増減 | 11.1% | -1.9% |
上掲のとおり、輸出は11.1%増加したのに、輸入は1.9%減少しているのです。貿易収支が大きく増えて当然です。
韓国メディアは例によって「やった、やった!」になっているのですが、不況型黒字になってるんじゃないのか――は考えなければならないでしょう。
国際収支統計で面白いのは、(外国から韓国への)直接投資の減り方です。
↑黄色でフォーカスしているのが外国から韓国の直接投資の金額。
上掲のように05月は(外国から韓国への)直接投資※は「7億9,430万ドル」しかありません。
実は、外国から韓国への直接投資は減少しているのです。「01~05月累計」での直接投資を年度ごとに比べてみると以下のようになります。
2015年:25億9,970万ドル
2016年:32億7,840万ドル
2017年:66億9,740万ドル
2018年:39億5,850万ドル
2019年:28億910万ドル
2020年:27億3,160万ドル
2021年:79億3,800万ドル
2022年:92億8,560万ドル
2023年:45億4,590万ドル
2024年:42億8,000万ドル
グラフにすると以下のようになります。
データ出典:『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト
↑2020年にはコロナ禍があって世界的にお金が回らない状況があって「27.3億ドル」まで激減。その戻しで2022年には「92.8億ドル」まで対韓国投資は増加しました。
※金融収支の直接投資の項目の負債の部に集計されています。
上掲のとおり、外国人投資家による対韓国投資は、2022年の「92.8億ドル」から2024年の「42.8億ドル」へと半分未満になっているのです(53.8%減少)。
中国は躍起になって「今が中国に投資するチャンス」などという大嘘を上から下まで大合唱していますが、そんな与太話にだまされる外国人投資家はもういません。
外国から韓国への投資も上掲のように減少していますが、韓国政府は大朝鮮・中国のように、「今が韓国に投資するチャンス」という宣伝を始めるでしょうか。
さらに今回の国際収支統計で注目しておきたいのは、外貨準備高の増減です。
↑黄色でフォーカスしたのが05月の外貨準備高の増減です。05月は「-22億470万ドル」
ご注目いただきたいのは、01~05月の累計で、国際収支統計では「-60億5,560万ドル」になることです。韓国の外貨準備高は減少しています。
(吉田ハンチング@dcp)