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外資撤退で「中国には奴隷労働のような仕事しか残らない」可能性がある。

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今回は――以前からいわれたことで、今になって気付いても「後の祭り」――という話でございます。

読者の皆さまがご存じのとおり、台湾の『鴻海』は世界最大のEMS企業です。『Apple(アップル)』のiPhoneを製造することで知られています。

中国本土にも工場を置いており、そこで多くの中国人を雇用していたのですが、『Foxconn』は深く静かに中国からの撤退を行っています。

2010年に『Foxconn』は河南省鄭州市に工場を設立し、上流および下流のサプライチェーンの200社以上のメーカーが河南省に進出。その後、河南省ではエレクトロニクス産業が急速に拡大し、結果鄭州市の電子情報産業は25倍にも成長したのです。

2020年には『鄭州フォックスコン』は中国最大の輸出企業となり、年間輸出総額は316億ドルに達しました。

EMSは「Electronics Manufacturing Service」の略で電子機器の受託生産を行うサービスのこと。

Foxconnは徐々にラインを閉じながら、生産拠点はインドなどに移転しています。何が起こったかというと……です。

『Foxconn』にひざまずいて謝罪する労働者

まず以下をご覧ください。中国SNSで話題になった――台湾『FOXCONN』(鴻海)にひざまずいて謝罪する――という投稿です。

この人は以前、『Foxconn』の工場に勤務していたのですが、そのときは『Foxconn』のことを「ブラック企業」と呼んで非難していました。しかし、『Foxconn』が河南省から手を引き始め、靴工場勤務に転職することになってしまったのです。

その靴工場での労働条件は『Foxconn』とは比較にならないほど厳しいもので、『Foxconn』に対してSNSでひざまずいて謝罪したというわけです。

投稿者によると、Foxconnと靴工場の労働条件の違いは以下のようになります。

●月給
『Foxconn』:4,500元
靴工場:4,500元

●労働時間
『Foxconn』:1日10時間
靴工場:06:50~23:00

・Foxconnでは2時間ごとに10分の休憩があった。喫煙所も設けられていた。
・靴工場では、労働の間トイレに行くこともできない。

・Foxconnでは毎日、一組の手袋が支給されていた。
・靴工場では毎日3元、作業用の手袋を購入しなければならない。

・Foxconnでは疾病に対して医療費が出る。
・靴工場では社会保険はない。

投稿によると、同じ4,500元でも、靴工場の労働条件はひどいです。1日ほぼ17時間労働で、トイレに行くこともできない、というのです。社会保険もなく、毎日3元支払って作業用の手袋を買われされる――。

『Foxconn』の10時間というのも長過ぎますが、靴工場の約17時間に比べればはるかにマシです。

Foxconnさま、申し訳ありませんでした」となっても仕方ないところでしょう。外資系が撤退すると、中国には地場の搾取系企業しか残りません。

Money1でも少しだけご紹介しましたが、台湾総統選挙の際に『Foxconn』の総帥である郭台銘(英名:テリー・ゴウ)さんが出馬し、中国当局から税務調査に入られるという事件がありました。

中国当局の台湾『FOXCONN(鴻海)』税務調査。罰金たったの42万円で終了?
先にMoney1でもご紹介したとおり、中国の税務当局が台湾『FOXCONN(鴻海)』への税務調査に入りました。中国ウォッチャーおよび識者の意見によれば、これは中国による台湾総統選挙への介入の一つです。『鴻海』の創業者である郭台銘(テリー・ゴ...

その後、郭台銘さんは出馬を断念。なぜ中国当局がこのような挙に出たのかは上掲記事でもご紹介しましたが、親中派候補を1本化して総統選挙に勝つためです。しかし、郭台銘さんは中国当局の政治的抑圧が骨身に染みたでしょう。

『Foxconn』が完全に中国から撤退できることはないでしょうが(そんなことは中国当局が許さない)、徐々にでも引いていくのが企業のためです。何をされるか分からないのですから。

しかし、『Foxconn』が中国から引けば、その分雇用は喪失し、中国の皆さんはそのぶん失業、あるいは「それこそ奴隷労働のような工場での仕事」しかなくなるのです。二進も三進もいきませんね。

(吉田ハンチング@dcp)

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