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「韓国の輸出強国の地位が揺れている。なぜだ」日本は伸ばしているのに

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韓国は輸出一本で食べている国なので、輸出がヘコむと国が傾きます。現在韓国が泥沼に足を取られているのは、輸出が徐々に弱っててきているからです。

尹大統領は激を飛ばした!

輸出をなんとかせにゃらならん」というので、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は2022年10月27日、「第11次非常経済民生会議」を開催。

全ての省庁が産業通商資源部だ!」と檄を飛ばしたとのこと。『朝鮮日報』から引用してみます。

尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は、27日に生中継された第11次非常経済民生会議を主宰しながら「保健福祉部は保健福祉サービス部、国防部は防衛産業部、国土交通部はインフラ建設産業部にならなければならない」とした。

全省庁が輸出と経済活力の向上に乗り出さなければならないとし「全省庁の産業通商資源部化」を指示したのだ。
(後略)

⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「尹大統領『すべての省庁が産業部…輸出のために一緒に跳躍してください』」

尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の危機感の現れでしょうが、少し極端な感じもします。省庁間で連携して何ができるのかは疑問ですし、まあこれは前座噺か幕間狂言のようなもの。

尹大統領の危機感をご紹介して本題にいきます。

対中国輸出がヘコんでいるのが原因だ!

輸出をなんとかしなくちゃ!」と指摘しているのはメディアの方も同じです。『毎日経済』に「韓国の輸出強国の地位が揺れてるのはなぜだ?」という記事が出ています。

これが大変に興味深い内容なのですが、「なぜだ?」の答えは、そもそも今までさんざんにかっぱいでこれた対中国輸出がへこんでいるのが原因ではないのか?としています。

Money1でも何度かご紹介しているとおり、韓国の対中国輸出は弱体化してきており、それだけではなくもうからなくなってきています(貿易収支が赤字方向に向かっている)。

以下をご覧ください。産業通商資源部が出したデータを基にした、対中国の貿易収支の推移です。

上掲のとおり、韓国の対中国貿易は、かつての「ボロ儲け」からはほど遠い姿になっています。

また、収支だけではなく輸出も鈍化しているのです。

その原因はなんだ?というわけですが、まず2022年については、中国経済がガッタガタになっていることを挙げなければなりません。習近平さんの「コロナ禍にはロックダウンだー」が効いて、生産現場が止まるなどひどいことになりました。これが内需を締め上げて消費も低下させました。

輸入というのは外国からする消費ですから、韓国の輸出が低迷するのは当然です。

次に、韓国の輸出品目が中国の需要に合わなくなっていることです。『毎日経済』の記事から引いてみると、以下のような具合です。

(前略)
中国輸入市場で韓国の立地が狭くなったのは、中間財輸出不振の影響が大きい。

韓国は中国から原材料を輸入して加工した後、中間材を主に輸出してきた。

対中国輸出品目のうち中間材が80%以上を占める。

昨年、中国の中間財輸入が2017年比50.3%も増えたが、韓国産の中間財の輸入は21.7%増加するにとどまった。自然に韓国産中間財輸入シェアも下落傾向を見せた。
(後略)

⇒参照・引用元:『毎日経済』「輸出強国の地位はなぜ揺れているのか」

中国は輸入品目で中間財を増やしているのに、韓国産の中間財の対中国輸出は増えない。つまり、中国が必要とする中間財は韓国産ではなくなってきたのです。

理由は、中国が韓国の技術に追いつき、中間財の自給化が進んだことにあると推測できます。なぜなら中国産の中間財を韓国の方が輸入することが多くなってきたからです。

かといって、中国相手に消費財の販売を拡大するのは不可能です。それこそ中国は消費財の世界的生産地であるからです。対中国貿易では韓国の消費財はほとんど売れていません。

『韓国銀行』のBOKイシューノートによれば、中国市場で韓国の消費財のシェアはわずか3%しかないのです。これを一朝一夕に伸ばすなんてことは不可能です。

というわけで、輸出不振、あるいは輸出の弱体化の原因が対中国貿易にあるとしても、では、それを回復できるのか?というと……できそうにないのです。

韓国が資源輸出でもうけるなんてことはできませんから、中間財が頭打ちで減少傾向、消費財が伸ばせないとなると――どうすりゃいいんだ、となるからです。

ただし第二次世界大戦後に一時期できた時代がありました。

日本は対中国輸出を伸ばしているのは技術力があるから!

同記事には、日本は対中国輸出を伸ばしているではないか、という指摘も出てくるのです。以下に引用してみます。

(前略)
韓国の対中輸出不振は、日本が輸出で好調を見せる姿と対比される。

日本は08月基準で2兆8,173億円(約27兆4,430億ウォン)の貿易赤字を出したが、対中国輸出は13.5%増加した。

強固な技術競争力を備えた素材・部品・装備輸出に注力し、中国市場で立地を固めたという評価だ。

一例として、日本の半導体製造装置の中国輸出は08月の1カ月間で22.4%急増した。
(後略)

⇒参照・引用元:『毎日経済』「輸出強国の地位はなぜ揺れているのか」

日本は確かな技術力を背景に輸出を伸ばしています。ウラを返せば、韓国の輸出品目には強固な技術競争力が備わっていない、だから中国では売れなくなってきた――と述べているのと同じです。

カン・インス『淑明女子大学』経済学部教授は、同記事内で以下のような面白い発言をしています。

(前略)
中国が成長するほど中国内での韓国の地位は萎縮している。

過度の対中国依存度は減らすべきだが、中国が私たちを必要とする分野が多くなるように核心産業で超格差を維持しなければならない
(後略)

⇒参照・引用元:『毎日経済』「輸出強国の地位はなぜ揺れているのか」

韓国と中国の技術的な超格差を維持しなければならないそうですが、それができないから「こんなこと」になっているのではないのでしょうか。

これからもその差はどんどん縮まりますし、超格差の技術など一朝一夕にはできません。ですから、韓国は苦しくなっているのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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