極左韓国メディア『ハンギョレ』が面白い記事を出しています。
タイトルは「韓国の保守勢力が他国とは異なる理由」というのですが、「へー面白い。ぜひ聞かせてください」という話です。
そもそも「保守」というのは、文字どおり「保ち、守る」という意味です。何を保ち、守るかというと、その国の伝統であったり、価値観です。
ですから、日本の保守といえば、民主主義や自由経済、また天皇制といったものを保ち、守ることを主張します。
では韓国の保守というのは何を守り、保とうと主張するのでしょうか?
同紙の記事を見てみましょう。韓国の保守が他国の保守と違う理由をどう説明しているのでしょう?
そもそも「保守」は悪い人たちを指す概念ではない。国ごとに様々な条件に従って様々なかたちがあるが、伝統を重視し、知識を尊重し、品位を備え、礼儀作法を守り、愛国心に燃える、というのが保守勢力の特徴であり共通点だ。
西洋映画を見るとたまに、巨大な邸宅のロビーの壁に家門を象徴する先祖の肖像画が並んでおり、主が訪問客に誇らしげに説明する場面が出てくる。戦争に行って命をささげたり、身体の一部を失ったりした経歴を持つ人が多い。
国が危機に直面した時、真っ先に駆けつけて自らを犠牲にするというのが、他国の保守家門の誇りだ。
(中略)
韓国の保守勢力の形成過程は、他国と大きく異なっていた。日帝強占期には朝鮮人にも巡査や判事や検事になった人々がいた。日本人に劣らず独立運動家たちを逮捕し、捜査で厳しく拷問し、重刑を宣告した。実は、よりひどく事に当たったケースも多かった。だから「同族の方が悪辣だった」と言われるのだ。
(中略)
韓国は日本に40年く占領されていたが、解放された後、そのような人々をただの1人としてまともに処罰できなかった。
解放されるやいなや分断されたため、過去を清算すべき重要な時期に戦争をしていた。
戦争が終わってからは軍事政権が30年あまりも支配していたため、植民地時代の過ちを正す過去の清算の機会をほぼ完璧に失った。
同族を裏切って占領勢力に協力して出世した人々が、解放後もそっくりそのまま生き残り、富と権力を蓄積し、社会の支配勢力を形成した例は、大韓民国の他に見出すのは難しい。
(中略)
韓国社会では、そのようにして成功した社会支配勢力が自らを「保守」と称するケースが多い。韓国の「保守」が他国の「保守」と異なる理由はここにある。
他国では道徳的優越性を誇ることは「保守」の徳目だが、韓国社会では保守勢力の道徳性が弱いということを否定するのは難しい。
他国においても、保守勢力は既存の体制の変化を追求する労働運動を非常に否定的な視線で眺める。
労働者の力が強まると自分たちの分け前が減るという浅はかな打算も一役買っている。
だが、韓国の保守勢力はその形成過程からして異なる。韓国の被雇用者の会社員、すなわち労働者が他国では見られない苛酷な弾圧に苦しめられる理由はここにある。
まず「何を言っているのかよく分かりません」が、韓国の保守は日本の植民地時代に日本による朝鮮半島支配に加担したものが多く、社会的支配層が保守とよく自称する――と批判しています。
「認識がおかしい」でしょう。
社会的な被支配層(この言い方もどうかと思いますが)にだって「保守」はありますし、会社員や労働者も信条によって保守たり得ます。労働者の皆さんが、保守という支配層によっていじめられているという主張はおかしいとしかいえません。
なぜこんなおかしいな主張になるかというと、韓国の保守なるものが「何を保ち、守ろうと主張しているのか全く分からない」からです。
保守というのは親日派(韓国では「売国奴」と同義です)のことなのでしょうか?
なぜこんな歪んだ認識になるかというと、(一応)自由主義陣営国である韓国での現体制、すなわち市民の平等、民主主義、自由主義経済は、全て日本の朝鮮半島併合によってもたらされたものだからです。
朝鮮人が自分でつかみ取ったものではありません。
まるで中世世界そのままだった李氏朝鮮に産業革命を移植し、近代法をもたらしたのは日本の併合でした。
ですから、日本の朝鮮半島併合を全て否定すると、現在の韓国に根付いた基盤の大本を全部否定することになるのです。だから、保守の主張があやふやなものにならざるを得ません。
日本の朝鮮半島併合を否定して、伝統を求めるなら併合時代をすっ飛ばして李氏朝鮮に求めなければならないでしょう。そうなると、事実上の奴隷制を敷き、中国に事大していた中世世界を「保守」することになるのです。さすがにそれはできないので、韓国の「保守」はよく分からないことになります。
「保守」というのは、社会的支配層のことではありませんよ。
(吉田ハンチング@dcp)