2025年06月09日、『韓国銀行』から「2025年04月の国際収支統計」が公表されました。
「残酷な四月」なのに経常収支は「57億170万ドル」の黒字と良い結果でした。これは04月にしては上出来です。
ただ、今回の国際収支統計では注目したいところがあります。外貨準備の増減です。
↑黄色でフォーカスしているのが2025年04月の外貨準備の増減。「-98億680万ドル」です。⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
1カ月で98億ドルも減少しました。
いくら何でも無茶苦茶です。これほど減ったのは月次データをさかのぼると、以下が確認できます。
2020年03月:-71億7,290万ドル
↑世界的なドル枯渇騒動でドボン寸前だった2020年03月。このときは月末に『FRB』が締結してくれたドル流動性スワップ(韓国での呼称は「通貨スワップ」)でギリで助かりました。
2011年09月:-128億8,260万ドル
↑2011年08〜09月はユーロ圏の債務危機がありました(欧州危機の本格化)。世界的リスク回避の動きが強くなり、ウォン安が進行。韓国通貨当局は通貨防衛でドルを溶かしたと推測できます。
2010年05月:-70億8,330万ドル
↑2010年春、ギリシャの財政危機が深刻化し、ユーロ圏全体に不信感が広がり金融圏で波乱。欧州ソブリン危機による新興国資金流出。
2008年10月:-199億8810万ドル
2008年11月:-109億420万ドル
↑韓国通貨危機時に異常なほど減少。
1997年11月:-59億4,870万ドル
↑これは参考値。アジア通貨危機時は当時の韓国の経済規模は現在よりもはるかに小さかったのでこれで済んでいます。しかし異常値です。
Money1でも韓国は外貨準備を積めなくなっている――とご紹介してきましたが、それどころではありません。2025年に入ってから減りっぱなしです。以下をご覧ください。
01月:-45億5,070万ドル
02月:-27億2,690万ドル
03月:-25億8,470万ドル
04月:-98億680万ドル
小計:-196億6,910万ドル
2025年01~04月の期間中は毎月マイナスで、ここまで累計「-196億6,910万ドル」です。
過去の例からいって「大丈夫ですか」といいたくなります。
(吉田ハンチング@dcp)