韓国「ポーランドへの武器輸出」に暗雲。ポーランドが「保険料率が高いから本契約しない」と言い出す

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面白い情報が出ました。

韓国が「K-防産が絶好調」と自画自賛してきた兵器輸出に暗雲です。

尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領時代にポーランドへの兵器輸出の大口契約がまとまり、韓国メディアも「世界市場で存在感を高める……」などと褒めそやしてきました。

韓国産のポンコツ兵器など輸入してどうするつもりなのか――という話ですが、ポーランドはウクライナと国境を接しており、ロシアの無法な侵略は「自分ごと」です。

旧ソ連にひどい目に遭わされた経験を持つ国ですから、ロシアのような独裁国家の支配下に置かれるのは絶対に嫌ですから、ロシア軍に対抗するための軍備を整えないといけません。


↑2023年03月22日(現地時間)、『現代ロテム』はポーランドのグディニャ港にK2戦車5両を届けました。PHOTO(C)『現代ロテム』プレスリリース

――で、ポーランドは、枯れ木も山の賑わいみたいに韓国産兵器を大量購入する――という事態に陥っています。

韓国にとってはホクホクかもしれませんが、「代金支払い」の面で暗雲が垂れ込め始めました。

ポーランドから「保険料が高い!」の声

ポーランドが、65億ドル規模の兵器第2次輸出契約について、韓国が提示した条件を拒否しました。

「保険料が高すぎる!」というのが、その理由です。

どういう「絵図」になっているか――を説明すると、こんな具合です。

韓国企業からポーランドに武器が輸出されますが、その代金は巨額なので、ポーランドはいっぺんには支払えません。

そこで16~20年の分割払いにします。しかし、ポーランド側の支払いがとどこおった場合、韓国企業がお金を受け取れなくなってしまいます。

そこで「保険」が登場します。

もしポーランドが支払いをうまくできなかった場合は、保険屋が韓国企業に対する支払いを肩代わりします。

その代わり、保険屋はポーランドから保険料を受け取ります。この保険料は支払い残額に対するもので、年利◯%で計算されます。

――で、今回の場合、保険屋の役割を果たすのが、『韓国貿易保険公社』(略称「K-SURE」)と国策銀行『輸出入銀行』です。

こういう仕組みにしておけば、仮にポーランドが(武器代金を借入して韓国企業に支払うことになるので債務が発生し)債務不履行になったとしても、韓国企業が代金を取りっぱぐれるリスクは小さくなります。

当然ですが保険屋がそのリスクを抱えるので、簡単にいえばリスクのババ抜きみたいなものです。

2025年07月初旬に、『K-SURE』と『輸出入銀行』は、『ポーランド開発銀行』(略称「BGK」)と業務協約(MOU)を締結しました。

保険屋の役割を果たす『K-SURE』と『輸出入銀行』が、それぞれ39億ドルと13億ドル規模の保険・保証を提供し、全体の輸出契約金額(65億ドル)の80%をカバーするという内容です。

保険保証の提供
『韓国貿易保険公社』(K-SURE):39億ドル
『韓国輸出入銀行』:13億ドル
小計:52億ドル
(契約全体が65億ドルなので80%をカバー)

――ところが、2025年08月07日になって、『ポーランド開発銀行』側が「保険料率が高すぎる」ので、この契約は順守できない――と言い出しました。

産業通商資源部の情報によると、

保険について満期を16~20年に分け、5%前後の保険料率を提示したのだが、『ポーランド開発銀行』は、イギリスをはじめとする他国と結んだ防衛産業輸出についての条件を挙げつつ、

韓国側が提示した保険料率が高すぎると表明し、

保険料率を引き下げなければ本契約は結べないとした

――とのこと。

本当に「5%」という数字だとすれば、これはかなり高いです。

OECD諸国の政府系輸出信用機関のデータを見ると、

ドイツ 年利:1.5~2.5%
フランス 年利:1.5~3%
イギリス 年利:1~2.5%

といった感じですので、ポーランド側が「韓国の5%は高すぎる」というのも理解できます。

考えてもみてください。

満期が16~20年だとして、毎年5%なら、単純計算です保険料だけで「80~100%」になります。

武器の代金を支払いつつ、これにオンして80~100%の保険料を支払うことになるのです。

念のために付記しますが、これは単純計算。残債に対して年利がかるので20年だとしても総支払額の実際は1.8倍程度になるはず。それでも十分高いです。

武器輸出額が65億ドルどしても、保険料も含んだ実際の総支払い額は100億ドルを超える可能性があります。

ポーランドがイギリスなどの例を出して韓国は「高すぎる」としたのも無理はありませんが、韓国としても引けません。

――というのは、ポーランドは決して経済的に強固な国ではなく、新興国であり、不良債権になったらどうすんだ――というのが懸念されます。つまり、お金を貸すリスクが高いのです。

韓国も「本当に先進国なの?」という国ですので、そもそもが「ビンボな新興国(韓国)が東欧の新興国(ポーランド)に無理な保証までつけて武器を輸出しよう」というムリムリな企画なわけです。

さて、「絶好調のK-防衛産業」とやらですが、この先どうなるでしょうか?

(吉田ハンチング@dcp)

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