2025年11月11日、韓国で第49回国務会議が開催され、興味深い内容でした。
以下に大統領室が公表したプレスリリースを全文和訳しますが、面倒くさい方は次の小見出しまで飛ばしてください。
第49回 国務会議の結果に関するカン・ユジョン報道官ブリーフィング
2025年11月11日
李在明(イ・ジェミョン)大統領は本日午前、第49次国務会議を主宰しました。
本日の会議では、「2026年経済成長戦略の主要骨子」に関する懸案討議とともに、4件の省庁報告が行われ、その後、大統領令案7件、一般案件7件、報告案件1件が審議・議決されました。
特に、大統領令案7件のうちには、李在明政権の国政課題と関連する法令改正3件が含まれました。
再生エネルギー中心の大転換構築に関連した△新再生エネルギー法施行令、児童・青少年の健全な成長および多様な家族支援のための△学校外青少年法施行令、整備事業の公共性強化のための△都市整備法施行令が通過しました。
また、気候エネルギー環境部が報告した「2035国家温室効果ガス削減目標案(NDC)」も、2018年比で最小53%から最大61%まで削減する方針として確定しました。
↑2025年11月11日に行われた第49次国務会議の様子。李在明(イ・ジェミョン)さんの左隣が金民錫(キム・ミンソク)国務総理。この人は普段何をやっているんだろうかと、ほとんど動静が聞こえてこません。前科三犯。本日の国務会議で、金民錫(キム・ミンソク)国務総理は、全省庁の公職者を対象に「12.3非常戒厳」などの内乱に協力した者たちを調査し、人事措置の根拠を確保し、憲法擁護の意志を正しく立てるための〈憲法尊重政府革新TF〉の設置を電撃的に提案しました。
これに対し、李大統領は「内乱の責任は関与の程度に応じて刑事処罰と行政的責任、または人事措置を取るべき事案である」と述べ、特検(特別検察)に依存するのではなく、独自にやるべきことだとして大きく共感を示しました。
経済副総理が報告した「2026年経済成長戦略の主要骨子」について、李大統領は「重要なのは結局民生であり、民生の核心は食べて暮らす問題だ」とし、「経済回復に総力を挙げなければならない」と強調しました。
特に「食品関連の物価安定が本当に重要だ」と述べ、大企業が独占的・寡占的な地位を利用して物価を引き上げ、庶民の負担を増大させる行為を徹底的に管理・統制するよう要請しました。
また、「中小企業を相手にした技術の奪取のように、力のない人々を搾り取って不当な利益を得る行為も徹底的に防いでほしい」と強調しました。
国内株式の長期投資促進に関連しては、「経営権確保のために株を長期保有する大株主ではなく、一般投資家が実際の恩恵を受けられるように、詳細な計画をよく作らなければならない」と述べました。
法務部が準備した〈嫌悪発言への対応方策〉に関連して、李大統領は「事実摘示による名誉毀損の廃止もあわせて検討してほしい」と指示しました。
また、「嫌悪的な横断幕を掲げるために政党法を悪用する事例まで現れている」として、政党法改正の必要性とともに、「オンライン上の嫌悪投稿を放置するプラットフォーム事業者に対する課徴金の賦課」も検討してほしいと要請しました。
文化体育観光部が準備した〈公演・スポーツ分野のダフ屋行為根絶方策〉については、「刑事処罰をなくし、課徴金の金額を引き上げるほうがより効果的だ」とし、「通報報奨金制度の導入も検討せよ」と指示しました。
本日は特に、大統領の冒頭発言と懸案討議、省庁報告のほかにも、一般案件および報告案件を審議・議決する全過程が生中継されました。
これは大韓民国政府史上初めて、国務会議のほぼ全過程が公開されたものです。
これは、国家の主要意思決定項目とその過程を国民に透明に公開し、国務委員の責任性を高めようとする李在明大統領および「国民主権政府」の哲学を示す措置の一つです。
2025年11月11日
大統領室報道官 カン・ユジョン
内乱に関与した公職者は全部吊るす! そのためのタスクフォースを作る
ご注目いただきたいのは2点。
1点目は、2024年12月03日に尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が宣布した「非常戒厳」をいまだに「内乱」とし、公務員や公職者を根絶やしにしようという動きを続けていることです。
李在明(イ・ジェミョン)さんの腰巾着で前科三犯、国務総理(首相に相当)に成りおおせた金民錫(キム・ミンソク)が「憲法尊重政府革新TF」という組織の設置を発議。
「わが意を得たり」と李在明(イ・ジェミョン)さんが賛同し、「特別検察に任せるのではなく独自に動くべきだ」と述べました。
「内乱に関与した」と(勝手に)規定して公職者を根こそぎ吊るすつもりです。
李在明(イ・ジェミョン)さん自身が「内乱の責任は関与の程度に応じて刑事処罰と行政的責任、または人事措置を取るべき事案」としているので、刑事罰などを与える気満々です。
何に似ているかというと「こいつは親日だ」と決めつけて、社会からオミットしようとする動きに酷似しています。
やっていること(やろうとしていること)は思想統制であり、「魔女狩り」に他なりません。
言論統制を行う! 韓国の「おしまい」の姿
もう一つは、先にご紹介した「中国を非難したら罰金・拘禁などの刑事罰を与える」という件です。法務部が「嫌悪発言への対応方策」を用意したとのこと。
要するに「ヘイト発言」などのレッテルを貼って、国民の発言を封じようという姑息かつ自由民主主義にあるまじき動きです。
大統領室が具体的な内容を公表していませんので、「何をするつもりなのか」詳細な内容は不明ながら、先にMoney1でもご紹介したとおり、すでにその法案は発議されています。
これは中韓首脳会談で中国側から指摘(いわば叱責です)されたので、間髪入れずに李在明(イ・ジェミョン)さんと愉快な仲間たちが動いたのです。
李大統領は「事実摘示による名誉毀損の廃止もあわせて検討してほしい」と指示した――この一文は極めて重要です。
韓国では、たとえ本当のこと(=事実)を言っても、相手の名誉を傷つければ犯罪になるという法律があります。
たとえば「○○議員が賄賂を受け取った」と言って、それが事実でも、その発言でその人の名誉を傷つけたと判断されれば、刑事罰を受ける可能性がある――これが「事実摘示による名誉毀損」です。
これは韓国刑法の第307条に規定されています。
大韓民国刑法 第307条(名誉毀損)
一、公然と事実を摘示して他人の名誉を毀損した者は、2年以下の懲役または禁錮、もしくは1万5千ウォン以下の罰金に処する。二、公然と虚偽の事実を摘示して他人の名誉を毀損した者は、5年以下の懲役または10年以下の資格停止に処する。
307条の第一項は「本当のこと(事実)をいっても他人の名誉を毀損したら刑事罰がある」――という法律ですが、
第310条(違法性の阻却)
第307条第1項の行為が真実の事実であって、もっぱら公共の利益に関する場合には、処罰しない。
――となっています。つまり、事実を述べ、誰かの名誉を毀損しても、その事実の指摘と公表(摘示)に公共の利益に役立つものであれば、罰せられない――としているのです。
この310条の「違法性の阻却」があるおかげで、例えばメディアなどが「巨悪の真実を暴く」といったことが行えるわけです。
李在明(イ・ジェミョン)さんのいうとおり「事実摘示による名誉毀損」が廃止されたらどうなるでしょうか?
310条は307条を規定するものですから、307条が廃止されたら同時に310条がなくなります(参照元)がなくなるわけなので)。
307条・310条がなくなったら、「嫌悪発言防止法」などの行政法による規制が結果的に強まることが想定できます。名誉ではなく「社会秩序」「差別防止」を名目に発言を規制するわけで、要するに「何が『嫌悪』に当たるのか」を政府や行政が決めるようになるわけです。
「事実でも名誉を傷つける発言は規制対象外」とするはずが、実際には「政府が認める事実しか言えない」状況が生まれるという逆転現象が起きる可能性が高まります。
さらにいえば「どの事実を公にしてよいかを国が決める」という構造をつくる危険があります。
また見逃してはならないのは、李在明(イ・ジェミョン)さんが「オンライン上の嫌悪投稿を放置するプラットフォーム事業者に対する課徴金の賦課も検討してほしい」と述べている点です。
掲示板やSNSなどを運営する事業者に「発言を放置した」として、罰金を科すつもりです。
言論統制です。
これが、どんどん自由民主主義ではなく「韓国のおしまい」の姿です。
(吉田ハンチング@dcp)








