株式市場の動向を表す言葉に「鯨幕(くじらまく)相場」というものがあります。この鯨幕相場とはどういう意味かご存じでしょうか?
「鯨幕」というのは、葬式などでよく使われる白と黒が交互に配された幕(下掲)のことです。もともとは慶事・弔事によらず使われるものだったそうですが、現在では主にお葬式などでお目にかかりますね。
チャートでの陰線と陽線に黒布と白布に見立てて、値下がり・値上がりを交互に繰り返すような相場展開を「鯨幕相場」と呼ぶのです。
例えば、トリドールHD(東証1部:3397)の2017年のチャートを見てみると2017年11月16日-12月04日までは見事に鯨幕相場になっていることが分かります(『株マップ.com』のクオンツチャートβより引用)。
ちなみに鯨幕相場は、投資家が迷っているときによく現われるとされます。相場のトレンドを読み切れない、つまり上昇トレンドなのか下落トレンドなのか判断がつかないときに出現する、といわれるのです。その投資家の心理を表して、上昇したらすぐ売り、下落したら買う、が繰り返されるというわけです。
また、海外投資家の動向や海外での動きに相場が翻弄され、日本の投資家がトレンドを読み切れない場合に鯨幕相場になりやすいともいわれます。
上では分かりやすくトリドールHDの例を挙げましたが、ここのところ鯨幕相場に該当するチャート、類するチャートは多く見られるのではないでしょうか。11月には海外投資家は日本株を売り越していますし、また朝鮮半島が再度緊迫の度を深めていますので、「どうしものか」と考えている投資家が多いためかもしれません。
(柏ケミカル@dcp)