中国の外交畑で重要な位置を占める「楊潔篪(ようけっち)」外交官が訪韓するとのこと。
アメリカ合衆国と中国共産党の対立が激化する中での訪韓ですので、「中国が韓国を自陣営に踏みとどまること」を確認するのではないかなどの憶測が飛んでいます。
例えば、韓国メディア『中央日報(日本語版)』の2020年08月14日の記事では以下のように書いています。
(前略)
米中の間で駆け引きをしていたフィリピンが最近南シナ海問題で中国の主張を受け入れると明らかにしたのがその成果だ。楊氏の訪韓もこのような友軍込みの延長線上でみるべきだという指摘だ。外交街では韓国が受け入れる内容と習主席の訪韓時期およびメッセージの度合いが連動されるという観測が出ている。
具体的に米国の反中経済同盟である経済繁栄ネットワーク(EPN)への参加、ファーウェイ(華為技術)など5世代移動通信(5G)協力、台湾・香港問題などで韓国に二者択一を要求する可能性が提起される。
この楊潔篪さんは、「名前だけでも覚えて帰ってください」という人物です。
楊潔篪とは何者なのか?
楊潔篪さんは中国外交畑の中でも随一のアメリカ合衆国通として知られており、合衆国のエスタブリッシュメントとも太いパイプを持っています。そのため中国共産党上層部としても氏を外交の一線に据えざるを得ないのです。
楊さんのキャリアの始まりは、イギリスからの留学から戻った後、外交部翻訳室に勤務したことに始まります。そのとき、合衆国の在北京連絡事務所長を務めていたのがパパ・ブッシュ(ジョージ・H・W・ブッシュ)、後の第41代大統領です。
楊さんは、パパ・ブッシュが1977年に訪中した際にはその間通訳として側に控えていました。
1983年以降は、在米大使館に勤務してキャリアを積み、2001年には50歳で在米全権大使に任命されます。
2005年に任期が終了して帰国。外交副部長に就任します。2007年には外交部長に就任。このような対米キャリアを積んでいますので非常な合衆国通というわけです。
このような中国外交部のエースがこの時期に訪韓するのです。何事が話し合われるのか、注目せざるを得ません。
(吉田ハンチング@dcp)