2024年05月23日に行われた韓国外交部の定例記者ブリーフィングで興味深いQ&Aがあったのでご紹介します。」
「台湾問題で中国は歴史歪曲を行っている」と記者が質問したのですが……。
<質問>
中国が歴史歪曲、用語混乱の戦術を繰り返していますが、その代表的な例が、中国がずっと言及している「一つの中国」原則を遵守せよということですよね。しかし、1992年の中韓修交共同声明、そして修交交渉の過程でもそうでしたが、私たちは一つの中国の原則を受け入れたことは一度もありません。
原則という表現も使わず、私たちは中国が一つの中国の原則を主張するという事実を尊重するというのが私たちの立場です。
台湾と修交当時にも台湾との歴史的背景を考慮して最高レベルの非公式関係を持つことで中国に譲歩を求め、それで関係が続いてきたと知っています。しかし、中国は、台湾総統就任式に国会議員2人が行ったと今抗議までしているじゃないですか。
このような中国の歴史歪曲に対して外交部の立場が気になります。
(『ニューデイリー』チョ・ムンジョン記者)<答弁>
一つの中国を尊重する韓国政府の立場に変わりありません。韓国政府は台湾問題と関連して中国とコミュニケーションを取っており、中国も韓国政府の立場をよく分かっていると思います。
⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「대변인 정례브리핑 (5.23)」
頼清徳さんが新しい台湾総統に就任し、中国が周辺国に対する威嚇を強めています。中国外交部は、就任式前日に韓国の国会議員※が訪台して――として、韓国に抗議を行いました。
「私たちは一つの中国の原則を受け入れたことは一度もありません」※と述べていますが、そんなことはありません。今回の質問に対して報道官が「一つの中国を尊重する韓国政府の立場に変わりありません」と述べていますが、これも「受け入れた」と理解されるでしょう。
※外交プロトコル上は記者の意見が正しいです。
韓国は、アメリカ合衆国と中国の間で「バランス外交」なるものを行っているつもりかもしれませんが、危ういことこの上ありません。
日本まですっかり忘れているかもしれませんが、日本が朝鮮半島を併合するまでは、そもそも中国の朝貢国だったのです。
中国は自身の経験から賢い(というかズル賢い)ことに朝鮮半島を「自分で」統治することはしませんでしたが、韓国は自由主義陣営国にとどまれなければ、かつての朝貢国に転落する可能性があります(既にそうなりつつあります)。
「親中・親北朝鮮の左派・進歩系の輩を多数派として国会に送り込む」という人たちなので、日本からすれば知ったことではありませんが、自身が望むなら転落しても幸せなのでしょう。
※『韓国台湾議員親善協議会』の議長を務める趙慶泰(チョ・ギョンテ)さんが訪台しています。
(吉田ハンチング@dcp)