中国メディア『CCTV』などが報じていますが、2023年11月10日、中国の『中信銀行』元頭取の孫徳順さん(上掲人物)に死刑判決が出ました。
↑『中信銀行』は国有銀行。2023年09月には「システム上重要銀行」に指定されています
この孫徳順さんは、2003年から2019年まで、『中国工商銀行(ICBC)』『交通銀行』『中信銀行』で要職を務めた人物ですが、在任中に関連企業の融資獲得などを支援し、9億7,950万元以上の資産を不法に受け取ったと認定されました。
約10億元(約211.5億円)の収賄で、これは巨額という他ありません。
山東省済南市中級人民法院(地方裁判所です)は、
2年間の執行猶予付き死刑
終身政治権剥奪
全個人財産の没収
を言い渡しました。
※法律に従って2年間の執行猶予付き死刑判決が終身刑に減刑された後、終身刑が言い渡される。減刑や仮釈放なしで、孫徳順さんの収賄罪とその未収金は法律に従って回収され、国庫に引き渡される――とのこと
興味深いのは、この孫徳順さんの腐敗振りを追った『CCTV』制作のドキュメンタリー番組があることです。2022年に反腐敗番組『Zero Tolerance』内で詳細を見ることができました。
これによれば、孫徳順さんは現金での受け取りを拒否し、金融商品などを使って何重にも隠蔽工作を行っていました。孫徳順さんは40年以上も銀行業界で働き、支店の窓口係から始めて国有銀行本店のトップにまで上り詰めた人だったのですが、これは中国金融界で唯一の存在とのこと。
その唯一無二の人物が約211.5億円の収賄を行っており、死刑判決が出るのですから、中国というのがどんな国なのかよく分かるというものです。
(吉田ハンチング@dcp)