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韓国「市中銀行」慌てて3兆ウォン工面。「ポーランドへの武器輸出」が怪しくなってきた

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韓国・尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の成果として挙げる「ポーランドへの武器輸出」ですが、先行きが怪しくなってきています。

ポーランドへの大量武器輸出を「ジャックポット!」と評していますが、まず「お金」の問題です。いくらお安い韓国兵器といっても束にすると巨額になります。ポーランドは、武器購入費用について韓国からの融資をアテにしているのです。

ポーランドが韓国から買う兵器
K2戦車:1,000両
K9自走砲:672門
天武多連装ロケット:290両
FA-50軽攻撃機:48機
etc.

兵器輸出の第1次契約17兆ウォンのうち、12兆ウォンは韓国側が融資します。ところが、国策銀行である『輸出入銀行』は「融資および保証の金額」は資本金の最大40%までと決まっています。

『輸出入銀行』の上限資本金は15兆ウォンですので、同行は「6兆ウォン」しか融資・保証できません。

仕方がないので、輸出入銀行の出せる上限「6兆ウォン」と『貿易保険公社』の出す「6兆ウォン」を合わせて12兆ウォンとして凌ぎました。

しかし、輸出はこれで終わりではありません。第2次輸出は30兆ウォンを超える規模になる予定なのです。『輸出入銀行』はもう対応できません。

『輸出入銀行』の法定資本金を、2倍の30兆ウォンにする法改定を行うべく政府は動いていたのですが、国会の日程上、できなくなりました(10月22日の国会企画財政委員会で通過できなかった)。

仕方がないので(仕方がないばっかりですが)、韓国の5大銀行がシンジケートローンを組むことになりました。

『国民銀行』
『新韓銀行』
『ハナ銀行』
『ウリィ銀行』
『農協銀行』

が同額ずつ出して、ポーランド政府に融資するのです。

総額30兆ウォンを超える規模の輸出事業ですが、2023年内にいるのは3~4兆ウォンとのことで、これを5行で出すことなります。

防衛産業側では、

K2戦車:820両のうち180両
K9自走砲:600門のうち150門
天武多連装ロケット:70両のうち一部

について優先契約を交渉している――とのこと。ということは、第1次契約に入ったのは「K2戦車:180両」「K9自走砲:600門のうち72門」「天武多連装ロケット:220両」と推測できます。

このシンジケートローンは10兆ウォン規模まで膨らませる予定とのこと。要するに国策銀行でお金が出せなくなったので「お前ら出せや」と政府にいわれたわけです。市中銀行も大変です。

ポーランドの政権交代で発注が減るかも……の予測

もうひとつ、暗雲が垂れ込めてきたのは――ポーランド政権の交代によってそもそも発注が取り消しになるのでは――という懸念です。

もともとは『Financial Times』が報じたネタなのですが、『中央日報(日本語版)』の記事から引用すると、以下のような具合です。

ポーランドの政権交代が過去最大規模となる韓国のポーランド向け武器輸出に悪影響を与える恐れがあるという外信報道が出てきた。

フィナンシャル・タイムズは8日、ポーランドの政治的変化により韓国の数百億ドル規模の武器取引が中止される恐れがあると伝えた。

同紙によると、民族主義性向の右派政党「法と正義(PiS)」率いるポーランド政府は昨年韓国製武器を大規模に購入し緊急支出に向けた特別基金を使った。これをめぐり先月の総選挙で勝利した野党連合は過度な支出だと批判してきた。

(中略)

フィナンシャル・タイムズは専門家の話として

「最も重要な問題は次期ポーランド政権が数十兆ウォンに達する契約に耐えられるかという問題。

韓国水力原子力がポーランドの原発事業にも協力しているが、もし武器契約交渉が厳しくなれば国防分野を超えて両国関係に影を落とすかもしれない」と指摘した。
(後略)

⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「FT紙『ポーランドの政権交代で韓国の武器輸出失敗に終わる恐れ』」

『Financial Times』の指摘はもっともで、政権の交代によって韓国からの武器購入がとどこおる可能性があります。

――というわけで、ポーランドへの武器輸出を巡るドタバタはまだ続きます。

(吉田ハンチング@dcp)

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