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韓国「投資移民」の要件を強化。中国人のための制度になってないか

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日本にはありませんが、韓国には「投資移民」の制度があります。

簡単にいうと「お金を投資してくれたら居住権・永住権をあげます」というもので、キプロスなどが有名です。キプロスはEUに加盟しているので、中国の富豪にとっては狙い目の制度でした(一名「ゴールデンパスポート」)。

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中国人のお金持ちを多数中国からEU圏に脱出させてきたキプロスの「投資すれば市民権がもらえる」システムが11月01日に停止します。この終了のきっかけは、架空の中国人投資家を使ったおとり捜査によるものでした。「EU市民権」を金で買えるようにした...

韓国の場合には「(55歳以上の外国人が)最低3億ウォンを投資すれば居住権が得られ、5年間投資し続ければ永住資格を取得できる制度」(後述)です。

つまり、(5年間投資を維持し)15億ウォン投資すれば韓国の永住権を獲得できるのです。

しかし、これが悪用されているとして、韓国の若大将こと韓東勳(ハン・ドンフン)長官率いる法務部が改定に乗り出すことになりました。

2023年06月29日、韓国の法務部は必要な最低金額を大幅に上げることを公表しました。

法務部が国民の視線に合わせて公益事業投資移民制度が改善します

一般投資移民制度 基準金額:5億ウォン15億ウォンに上方修正
高額投資移民制度 基準金額:15億ウォン30億ウォンに上方修正
リタイア投資移民制度 ⇒ 廃止

一般投資移民制度
⇒5億ウォン以上投資した場合、居住(F-2)資格を付与し、5年間投資を維持した場合、永住(F-5)資格を付与する制度(2013年5月施行)

高額投資移民制度
⇒55歳以上の外国人が3億ウォン以上投資した場合、居住(F-2)の資格を付与し、5年間投資維持した場合、永住(F-5)の資格を付与する、 5年間投資を維持する場合、永住(F-5)資格を付与する制度(2013年05月施行)

リタイア投資移民制度
⇒15億ウォン以上投資し、5年以上投資を維持することを条件として永住(F-5)資格を付与する制度(2014年10月施行)

⇒参照・引用元:『韓国 法務部』公式サイト「法務部が国民の視線に合わせて公益事業投資移民制度が改善します」

上掲のとおり、「高額投資移民制度」の場合、15億ウォンで済んだものが、30億ウォンと必要な金額が2倍となります。

なぜこのようなことをするかといえば、2013年に設定された最低金額が「低すぎる」というのが一つ。他の国に比べると安いのです。

ご注目いただきたいのは「公益事業」となっている点です。実は、この投資制度は公益事業に使うお金を集めるためのものでもあるのです。

韓国の居住権・永住権がほしい外国人が投じた資金は、『韓国政策金融公社』の「公益事業投資移民ファンド」に入って、中小企業への融資財源として活用する仕組みになっているのです。

他の国に伍するぐらいの水準にして、そこに入るお金も増やしてファンドのお金を膨らまそうという狙いがあります。

また、「投資移民制度」を利用する外国人の国籍が偏っているという事情があります。『国民の力』議員の入手したデータによれば、2018~2022年に公共事業投資移民制度で滞在資格を得た外国人計1,799人のうち、1,274人(70.8%)が中国人だった。

法務部長官が告示した地域内の基準金額以上の不動産投資をすればよい不動産投資移民制度の場合、2018~2022年に滞在資格を得た外国人計2,985人のうち2,807人(94%)が中国人でした。

「特定の国を避ける」という批判を浴びる可能性がありますが、なんだか中国人のための移民制度になってないか――というわけです。

もう一つ、外国人参政権の絡みがあります。

韓国の公職選挙法によると、選挙権は永住権取得後3年が経過した外国人にも与えられます。

韓東勳(ハン・ドンフン)長官は2022年12月に、「韓国国民は永住権を持っていても、その国では投票権がないのに、相手国民は韓国で投票権を持つ状況が発生する可能性がある」とし、「相互主義の原則を考慮しない外国人への投票権付与は民意を歪める恐れがある」と述べています。

外国人参政権の問題がこの投資移民の問題にも関係してくるのです。

中国もこの点は注意しています。先にご紹介したとおり、邢海明(シン・ハイミン)駐韓中国大使が、韓東勳(ハン・ドンフン)さんを飯に誘ったのも「外国人参政権」についての懸念を示すためと考えられるのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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