韓国『現代自動車』が日本市場に再上陸ということで話題になっておりますが、『起亜自動車』は中国市場に再挑戦するとのこと。
韓国メディアに『起亜自動車』が中国市場に再挑戦する!という記事が出まして……まあ「その意気や良し」なのかもしれないのですが……やめた方がいいのではないか、という後ろ向きな話をいたします。
持ち分構造も変えて心機一転「中国市場を攻略」!?
中国市場再挑戦は、『起亜自動車』が中国に設立した合弁会社の再編が成ったのを契機に行う――という話になっています。
『起亜自動車』の中国市場での事業は『东风悦达起亚』という会社が行っています。
これは2002年に『起亜自動車』50%、『东风汽车集团有限公司(東風自動車)』25%、『江苏悦达投资股份有限公司(Jiangsu Yueda Investment:江蘇悦達)』25%という持ち分で作られた会社です。
『東風自動車』は有名な中国の自動車企業(国営)。名前ぐらいは聞いたことがあるという方が多いのではないでしょうか。『江苏悦达投资股份有限公司』は、中国江蘇省の国営の総合投資会社で、まあいろんな意味で有名です。
2022年02月07日の『起亜自動車』の公表によれば、『東風』の持ち分25%を『江蘇悦達』が取得し、『起亜自動車』50%、『江蘇悦達』50%に再編がなりました。
だからなんだ――という話なのですが、投資拡大の協約が結ばれ、現地工場での生産が拡大されるとのこと。『東風』が抜けたので社名も変更し、心機一転04月に開催される『北京モーターショウ』で発表するそうです。
『起亜自動車』はすでに負けている
しかし……です。
問題は、『起亜自動車』は中国市場ですでに負けており、実はちっとも「もうかっていない」という点にあります。
以下の2018~2021年の『起亜自動車』の中国市場における売上高と営業利益をご覧ください。
2018年の時点で営業利益は赤字。売上は2018~2020年と右肩下がりで、赤字も拡大しています。2021年は第3四半期までの業績ですが、売上高は「1兆5,969億ウォン」しかありません。第4四半期の業績が加わっても2兆ウォンを超えるぐらいの売上にとどまると見られます。
つまり、『起亜自動車』は中国市場ですでに負けており、ちっとももうかってはいないのです。
中国市場に再挑戦するというのは赤字を膨らませるだけにならないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)