本稿のタイトルは、筆者と編集部が付けたわけではありません。韓国メディア『朝鮮日報』の記事内容に寄ったものです。
Money1では何度かご紹介していますが、韓国経済を支えるのは「半導体のみ」という状況になりつつあり、その半導体もアメリカ合衆国と中国の対立によって先行きが怪しくなってきました。
「合衆国と中国の間でうまくやろう」などとバカなことを考えていた韓国もさすがに「このままではひとりぼっちになるかも」危機感を覚えているようです。
2020年08月14日の『朝鮮日報』の記事から一部を以下に引用します。
新冷戦を彷彿(ほうふつ)とさせる米中戦争が加熱されている中で、『サムスン電子』の危機感が深まっている。
財界では「『サムスン電子』と韓国政府は、米中の間で明確な方向性を打ち出せず、中途半端な立場を取って漂流している」という診断が出ている。
その上、米国-台湾-日本をつなぐ「半導体三角同盟」まで出現するとなると、サムスンの立つ瀬はいよいよ狭くなり、事実上「ひとりぼっち」で墜落するという分析だ。
(後略)⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「妙手を探し…米中激突の間で悩み深いサムスン電子」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
「半導体三角同盟」というのは新しい言葉ですし、日本では全く一般的でありませんが、韓国メディアからはこのような同盟関係が急に立ち現れ、『サムスン電子』を孤立させるように見えるのでしょう。
この部分について詳述した部分を以下に引用します。
(前略)
さらに注目されるのは、『TSMC』を軸に米国と日本、台湾の3カ国をつなぐ「半導体同盟」が熟していくことである。日本のメディアは先月下旬、「日本政府が今後数年間1,000億円(約1兆1,248億ウォン)の支援を約束し、『TSMC』の日本国内の工場建設を要請した」と報道した。
『TSMC』はすでに昨年11月から東京大学と共同研究を立て、半導体開発の分野での協力している。
半導体三角同盟は「設計」(合衆国)と「部品・素材・装置」(日本)、「生産」(台湾)が一つにまとまり動くという意味である。
この構想が現実化すれば、『サムスン電子』は非メモリー分野で万年下位にとどまって国際分業構造の「ひとりぼっち」になる可能性が高い。
(後略)
日本人からすると「いい話だなぁ」ですが、韓国からすればたまったものではないのでしょう。
もし、この『朝鮮日報』の予測が当たって「『サムスン電子』が万年下位にとどまる」ことになったとしても、それは自業自得というものです。
しかし、今になって「我々も立ち位置を明確にせねば」と焦るというのはどういう無神経さ・不感症なのでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)