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直近の「韓国の経常収支」の中身を確認

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韓国銀行』から「2020年08月の国際収支統計」が出ましたので、「経常収支」の様子を見てみます。

国際収支統計は海外との取り引きのフローを記録したもので、大ざっぱにいえばお金が海外に出て行く方が多かったのか、入ってくる方が多かったのかを示しています。

お金が入ってくる方が多ければ黒字ですし、出て行く方が多ければ赤字です。お金が出て行くばかりだとやがてその国はドボンになってしまいますね。

面倒くさい方は以下を飛ばしてくださっても大丈夫かと。

国際収支統計の中には大きく分けて「経常収支(current account)」「金融収支(financial account)」「資本移転等収支(capital account)」「誤差脱漏(errors and omissions)」と4つの項目がありますが、まずなんといってもその国の黒字・赤字を見るには「経常収支」です(アメリカ合衆国みたいな無茶な国もありますが)。

経常収支は大きく分けて「貿易収支」「サービス収支」「第1次所得収支」「第2次所得収支」の4つの項目から成ります。

貿易収支」には、物品の貿易による取り引きが計上されます。

サービス収支」には、「サービス」の取り引きについて計上されます。例えば、海外旅行に出掛けて使ったお金や通信サービスの費用、知的財産権の使用代金、特許のライセンス代などもここに計上されます。

第1次所得収支」には、海外で働いた人の給与が送金されたとか、海外に投資してその配当を受けたなどの取り引きが計上されます。

第2次所得収支」には、対価をもらわない無償援助が計上されます。

さて、では韓国の直近2020年08月の経常収支を見てみると以下のようになります。

韓国の経常収支 08月

貿易収支:70.1億ドル
サービス収支:-8.0億ドル
第1次所得収支:6.3億ドル
第2次所得収支:-2.7億ドル
経常収支:65.7億ドル

図にすると以下です。

2020年08月は貿易収支の黒字が70.1億ドルとこれまでの平均金額よりも大きく(後述)、それが経常収支の「65.7億ドル」の黒字を作っています。

しかし、貿易収支の黒字が大きくなったのは輸出金額が低迷しているからで、実は全く喜べない話なのです。これはでご紹介したとおりです。

韓国「不況型黒字」がはっきり!「黒字拡大」と喜んでいる場合ではない
2020年10月08日、『韓国銀行』から「08月の国際収支統計(暫定版)」が公表されました。韓国の「不況型黒字」がますます鮮明になりました。 韓国経済の屋台骨を支えているのは「輸出」ですから、これが回復しないと韓国の復活はありません。...

3年8カ月の平均金額と比べてみると……

ちなみに韓国の経常収支の4つの項目について、2017年01月~2020年08月の平均金額を出してみると以下のようになります。

韓国の経常収支(2017年01月~2020年08月平均)

貿易収支:76.9億ドル
サービス収支:-22.6億ドル
第1次所得収支:6.6億ドル
第2次所得収支:-5.0億ドル
経常収支:55.9億ドル

図にすると以下のようになります。

先にもご紹介したことがありますが、韓国の経済は「貿易収支」の大きな黒字で、「サービス収支の赤字」「第2次所得収支の赤字」をカバーして、「第1次所得収支の黒字」でもうけを少し足すという構造になっていることが分かります。

上掲の図2つを比較していただくと分かりますが、08月の黒字「65.7億ドル」には「サービス収支の赤字が縮小したこと」が貢献しています。

平均では「サービス収支は22.6億ドルの赤字」なのですが、08月は「8.0億ドルの赤字」で済んでいます。この差額14.6億ドルが黒字幅を拡大することにつながったのです。

赤字幅が減った原因は明らかで、「新型コロナウイルス騒動」のせいです。海外旅行に行かないなどの制限で海外に出て行くお金が減ったのです。ですから、コロナ騒動が終息に向かうに従って韓国のサービス収支の赤字は元に戻ると推測できます。

――というわけで、08月の経常収支を見てみました。韓国メディアでは「連続黒字」などの言葉が踊っていますけれども、そもそも韓国は経常収支が黒字でなければ立ちゆきません。合衆国ではないので。

また「黒字幅が拡大した!」などの言葉は喜び過ぎです。輸出が縮小したせいで黒字が拡大したに過ぎませんので。上掲の構造からも分かるとおり、韓国という国は輸出を戻し、(輸入が減ったので黒字といったことではなく)貿易収支を回復しないことには話にならないのです。

(柏ケミカル@dcp)

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