韓国の対外債務が「79億ドル」(約8,208億円)も増えとるじゃないか!という話です。
2020年11月19日、韓国の財政企画部から「2020年第3四半期の対外債務の動向と評価」という資料が公表されました。財政企画部は四半期ごとに韓国の対外債務について報告しています。その最新版です。
以下をご覧ください。
短期の対外債務:1,441億ドル(対前期比:102億ドル減少)
長期の対外債務:3,669億ドル(対前期比:181億ドル増加)
対外債務小計:5,110億ドル(対前期比:79億ドル増加)
※前期は「2020年第2四半期」のことです
「対外債務(external debt)」は、外国に対する債務(返済しなければならない借金)です。「短期(short-term)」が付くものは「1年以内に返済しなければならない債務」です。対して、「長期(long-term)」が付くものは「返済まで1年を超える債務」を意味します。
ですので、3カ月で海外からの借金が「79億ドル」も増えたのです。長期対外債務はなんと「181億ドル」(約1兆8,806億円)も増えています。
逆に、短期対外債務は「102億ドル」(約1兆598億円)も減っています。なぜこんなに巨額の短期債務が3カ月で減った(返済した)のでしょうか?
これは、例のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と締結した「ドル流動性スワップ」、韓国の言い方では「通貨スワップ」が関係しています。
借りたドル(84日満期などだったため「短期対外債務」になります)が積み上がりましたが、これを返済したため、第3四半期にはその分の借金がきれいさっぱりなくなったわけです(ドル流動性スワップの最初の返済は06月25日だったので第2四半期には借金を積み上げつつ返済した)。
企画財政部はプレスリリースで、
としています。その上で、
と書いています。短期/長期の比率だけ見るとそうかもしれませんが、長期ではありますが、3カ月で「181億ドル」も調達しなければならなかった、その懐具合の方が気にならないでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)