アラスカでの米中会談が非難の応酬になりましたので、中国の御用新聞ではアメリカ合衆国を批判・自国を讃える絶叫で満ちています。
例えば、英語版御用新聞『Global Times』のヘッドラインだけでも以下のような記事が上がっています。
米中交渉は率直で有益だが、重要な問題に関する大きな相違が残る
What did China and US learn about each other from Alaska talks?: Global Times editorial
中国と米国はアラスカの会談からお互いについて何を学んだか?:環球時報社説
China-US Alaska talks a great lesson for Washington
中国と米国のアラスカ会談はワシントンに素晴らしい教訓を語る
China, US have good quarrel during Alaska talks
中国、米国はアラスカ会談で良い喧嘩をしている
総じて合衆国と中国は正面切ってやり合ったが、これは良いコミュニケーションだったとまとめる記事になっています。つまり、中国共産党は合衆国との正面衝突を避ける方向でまとめたいわけです。
中国企業に資金を流すな!
しかし、一方の合衆国は超党派で中国に圧迫を加える方向で進行しています。
例えば、中国企業を合衆国株式市場から締め出す動きは前トランプ政権から引き継ぎ、それは全く緩和されていません。先にご紹介したとおり、中国企業の監査をスルーした上場は後で売上粉飾のインチキがばれて上場廃止になるなど、投資家に多大な損害を与えています。
前トランプ政権はこのようなインチキ上場を許さず、中国企業を合衆国市場から排除するよう動きました。これは、中国企業(そしてバックにいる中国共産党)に資金が流れ込むのを断つことです。
この件で2021年03月20日同じ『Global Times』に泣き言のような記事が上がっていましたのでご紹介します。以下に記事の一部を引用します。
(前略)
中国は、合衆国に上場した中国企業に関する問題を適切に処理するためには、互いに協力することこそがWin-Winの選択であると考えている。中国証券監督管理委員会(CSRC)のYi Huiman委員長は、中国開発フォーラムで「問題やその他の意見の相違を解決するためには、双方が交渉しなければならない」と述べた。
(後略)
インチキな上場を果たしているのは中国企業の方で、合衆国市場に上場するからには合衆国のルールを守らなければなりません。インチキがばれたら退場するのが当然です。
またインチキが次々と露呈するので、中国企業についての調査を厳格化するのも至極当然の流れです。しかし、中国共産党の当局は「話し合おう」などと言っているのです。
日本に「話し合おう」というどこかのバカな国と同じです。
そもそも中国のWin-Winなんて言葉は信用するべきではありません。中国の言うWin-Winは「中国に都合の良いようになること」だからです。
この記事では次の箇所が傑作です。
(前略)
中国証券監督管理委員会(CSRC)のYi Huiman委員長は、中国開発フォーラムで、「我々は、米国の関連規制当局との協力関係を強化することを求めている。中国側は何度も解決策を提案してきたが、包括的で前向きな回答は得られなかった」と述べた。
(後略)
合衆国側は完全に無視しているわけです。効いている、ということでしょう。
中国企業に上場させて資金を流してはいけません。このまま資金を断つ方向でいくべきです。トランプ前大統領の施策は全く正しかったといえるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)