『韓国銀行』が韓国の「知的財産権の収支」なるデータを公表しましたので、「国際収支統計」で韓国の「Balance of charges for the use of intellectual property」(知的財産権等使用収支)がどのように推移しているかをご紹介します。
先に触れたとおり、この知的財産権等収支には、「特許や著作権などの使用料」について海外との取引による収支を計上します。
海外へ支払う使用料の方が多ければ赤字(マイナス)、海外から入ってくる使用料の方が多ければ黒字(プラス)になります。海外で使用・消費される製造業の特許、ドラマ・音楽・文学作品などが多いほど有利というわけです。
以下は、1980年~2020年の知的財産権等収支の推移です。
上掲は国際収支統計を基に作成したグラフですが、ラインの全てが「0」の下にあることがお分かりいただけるでしょう。つまり知的財産権等使用収支はずっと赤字。
驚くなかれ、韓国という国はこの「知的財産権等使用収支」で1980年以降、1年たりとも黒字になったことがないのです。
ちなみにこの赤字を累計すると「909億7,610万ドル」(約9兆8,909億円)になります。韓国は1980年以降2020年まで、約10兆円の「特許・著作権など知的財産の使用料」を支払ったのです。
直近5年間の数字は以下になります。
2016年:-24億9,340万ドル
2017年:-24億1,480万ドル
2018年:-20億6,320万ドル
2019年:-22億1,040万ドル
2020年:-30億3,420万ドル
2016年~2018年では赤字が漸減し、K-POPで輸出が増加したからだ、などと説明されていました。しかし、2019年にはまた赤字が増えます。この年は「日本の輸出管理強化」によって韓国に「NoJapan(ノージャパン)運動」が起こりました。赤字が増えたのですが、「ノージャパン運動の効果はあった」などと評価されていたのです。
ところが!
2020年が締まってみると、上掲のように赤字は大幅に増加し、「-30億ドル」を超える結果となったのです。こうして推移を見ると、K-POP輸出もノージャパン運動も大して影響を与えなかったことが分かります。
(吉田ハンチング@dcp)