2021年04月03日、韓国の新外相鄭義溶(チョン・ウィヨン)さんが中国の王毅外相に釣り出され(よせばいいのに)中国アモイ(台湾のすぐ対岸というばかさ加減)で会談を行いました。
この会談の目的は、自由主義陣営の中で最も弱い輪と認識されている韓国を中国側へ取り込む懐柔(というより説教)だったわけです。
「韓国は『半導体』について協力する」と中国はしている
この会談において「中韓のさらなる協力」が確認された――とされているのですが、実は中国メディアでは以下のような報道があります。
もちろん中国は御用メディアを使って自分の都合の良いように報道しているわけですが、韓国政府が特に否定しているわけではありませんので、既成事実のようになっています。
↑2021年04月07日付けの中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』記事。
「世界の半導体産業における2つの重要なプレーヤーとして、中国と韓国は緊密な協力を通じ、地域の産業チェーンの回復力を大幅に強化することができる」などと書いています。
アメリカ合衆国の「中国に半導体を渡さない戦術」が相当効いていますので、中国は最も弱い輪である韓国を自陣営になし崩し的に取り込むことに決めたようです。
この後、2021年04月12日、アメリカ合衆国のバイデン大統領の招集で半導体メーカーが会合を持つわけです。対中国を念頭に置いた半導体のサプライチェーンの組み換えです。韓国からは『サムスン電子』も参加しています。
合衆国の対中国姿勢は、基本トランプ政権の頃から変わっていません。半導体のサプライチェーンから中国を締め出すつもりです。
韓国にとって非常にまずいのは、『サムスン電子』と『SKハイニックス』の半導体製造工場がいまだ中国にあることです。『サムスン電子』は「西安」に、『SKハイニックス』は「無錫」と「重慶」にあります。しかも、『SKハイニックス』は、2020年中に無錫の工場を拡張することを決め、すでに「3兆2,999億ウォン」(約3,201億円)を02月に投入。
韓国が半導体の製造において中国から独立を保っていられるかは非常に怪しくなってきています。韓国は中国から逃げ遅れたといえるかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)