韓国メディアが「外国人投資家が韓国株式市場に帰ってきた!」と報じていますが、これに冷や水を浴びせてやろうという意地の悪い記事です。誠に申し訳ありません。
韓国メディアの基になっているのは、2021年05月12日に『韓国銀行』が公表した「2021年4月 国際金融・為替市場の動向」の中にある、以下の資料です。
これは、韓国株式市場・債券市場における「外国人投資家の資金」の純流入についてを計上したもの。2021年分は以下のようになります(単位:億ドル)。
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 2021年累計 | |
株式市場 | -23.9 | -25.6 | -25.8 | 5.9 | -72.4 |
債券市場 | 13.2 | 89.9 | 83.5 | 27.4 | 213.9 |
合計 | -10.7 | 61.2 | 57.7 | 33.3 | 141.5 |
株式市場では、2021年01~03月でマイナスが続いてきたのですが、04月にやっと黒転しました。つまり、それまでは資金の純流出だったのに、04月になってやっと純流入になったのです。
これをもって韓国メディアは「外国人投資家が帰ってきた!」といっています。
実は、外国人投資家の資金が株式市場に純流入となったのは2020年11月以来、5カ月ぶりのこと。
ですから韓国メディアも大変喜んでことさらに報じているのです。
ただし、韓国メディアにとって残念なのはこの資金流入が05月も続くとは限らないということです。以下は直近1週間の外国人投資家の売買状況ですが……。
この直近1週間で外国人投資家は2兆6,998億ウォン(約24億ドル)を売り越しています。上の表組の表記に合わせれば「-24.0」で、つまり24億ドルの資金流出です。
05月にまた赤転する可能性は高くなっているのです。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年4月 国際金融・為替市場の動向」
(吉田ハンチング@dcp)