韓国『SKイノベーション』といえば、『LGエネルギーソリューション』と並び、電気自動車用のバッテリーで世界的シェアを誇るとして日本メディアにも時折登場します。しかし、その事業はうまくいっているのでしょうか?
2021年第1四半期の決算の中身で非常に面白い点があるのでご紹介します。
営業窃盗で『LGエネルギーソリューション』に告訴されて1兆ウォン支払うことに
Money1では何度かご紹介していますが、『LGエネルギーソリューション』に「営業秘密を盗んだ」としてアメリカ合衆国・『ITC』に告訴され、『SKイノベーション』は敗訴しました。
その後、「『ITC』の判決を覆すために大統領の拒否権を求める」などのすったもんだがあった挙げ句、『SKイノベーション』は『LGエネルギーソリューション』に1兆ウォン(約970億円)を支払うという条件がまとまり、和解しました。
これを踏まえ、2021年05月13日、営業秘密の窃盗で1兆ウォンを支払うことになった『SKイノベーション』の2021年第1四半期の業績が発表されたので見てみましょう。
営業外損益「1兆ウォン」で赤転!赤字拡大!
上掲が『SKイノベーション』が公表した決算資料のまとめ部分です。
総売上:9兆2,398億ウォン(約8,963億円)
営業利益:5,025億ウォン(約487億円)
営業外損益:-1兆301億ウォン(約-999億円)
税引き前利益:-5,276億ウォン(約-487億円)
営業利益:5,025億ウォン(約487億円)
営業外損益:-1兆301億ウォン(約-999億円)
税引き前利益:-5,276億ウォン(約-487億円)
韓国メディアでは「営業利益黒字!」なんて見出しになっていますが、注目ポイントはそこではありませんし、喜んでいる場合ではありません。
上掲のとおり、営業秘密を盗んだ結果の「1兆ウォンの支払い」が「営業外損益」のところに計上され、赤字に転落しています。営業利益が出た万歳ではないでしょうよ。
(吉田ハンチング@dcp)