2021年05月21日、『韓国銀行』から注目の03月末時点での「International Investment Position」(対外資産負債残高)の資料が出ました。
毎月公開される国際収支統計はフローを表しますが、3カ月に1回公表される「対外資産負債残高」はストックを表します。今回公表のデータの概略をご紹介します。
まず、総資産・負債ですが、
対外総資産:1兆9,884億ドル(対前期比:256億ドル増加)
対外負債:1兆5,097億ドル(対前期比:129億ドル増加)
純資産(資産 – 負債):4,787億ドル(対前期比:126億ドル増加)
となっています。
面白いのは、対外債権・債務です。
債権は「相手からお金※を取り立てることができる権利」のこと。債務はその逆で「相手にお金を返済しなければならない義務」のことです
ですから、これは韓国が「外国から取り立てることのできる金額」と「外国に返済しなければならない金額」を表しています。
2021年第1四半期(03月末時点)
対外債権:1兆307億ドル(対前期比:290億ドル増加)
対外債務:5,659億ドル(対前期比:210億ドル増加)
対外純債権(債権 – 債務):4,648億ドル(対前期比:180億ドル減少)
対外債務が210億ドル(約2兆2,840億円)も増加し、5,659億ドル(約61兆5,473億円)に達しました。この金額・増加幅ともに韓国史上最大です。
つまり、海外に返済しなければならないお金が過去最大に増えたということです。これに合わせて対外純債権が「180億ドル」(約1兆9,577億円)も減少しました。
『韓国銀行』の説明によれば、この対外債務の増加は、外国人による韓国の債券への資金投入によるところが大きいとのこと。債券を買ってもらった良かったーで済まないというのは何度かご紹介していますが、このように返済しなければならない借金になるからです。
――この「対外資産負債残高」の件、別記事に続きます。
※債権・債務の言葉の定義上は金銭でなく「行為」などでも良いとされる
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年3月末対外資産負債残高」
(吉田ハンチング@dcp)