注目の04月の「国際収支統計」が『韓国銀行』から公表されました。韓国では「残酷な04月」といわれることもありますが、これは海外への配当支払いがこの月に集中し、経常収支が大きく悪化するからです。
Money1では、関税庁公表データのママ、すなわち「経常収支(輸出 – 輸入)が3億9,000万ドルのママなら経常収支は赤字になる」とご紹介しました。
また、関税庁のデータと国際収支統計のデータでは(主に輸出入の金額に)ブレが生じるので、それを補正した場合の予想を行って「恐らくすれすれ」とご紹介しました。
残酷な04月ですので「すれすれ」はすれすれだったのですが、2つの点で予想と違いました。これについては後述します。
韓国の04月の経常収支は以下のようになりました。
貿易収支:45.6億ドル
サービス収支:0.1億ドル
第1次所得収支:-19.5億ドル
第2次所得収支:-7.1億ドル
経常収支:19.1億ドル
2021年の経常収支のこれまでの推移を見ると以下のようになります。
01月:70.6億ドル
02月:79.4億ドル
03月:78.2億ドル
04月:19.1億ドル
予定どおり残酷な04月に経常収支は急減しましたがなんとか黒字で済んだ形です。
予想からぶれた2つの点
予想からぶれた主な点は以下の2つです。
2.サービス収支が黒字になった
先にご紹介したとおり、関税庁の通関ベースの輸出・輸入金額は、国際収支統計で締まるとぶれます。しかし、
と輸出金額についてはほとんどぶれないことが分かっています(これは2021年01~03月平均/2020年通年では0.8%しかぶれていない)。
関税庁集計の輸出金額:511.9億ドル
国際収支統計の輸出金額:521.7億ドル
ぶれ幅:1.9%
しかし、04月は1.9%上にぶれました。これによって貿易収支(輸出 - 輸入)の金額が予想よりも大きくなりました。最大・最小のぶれを鑑みて予想するべきでした。
Money1の予想:37.1億ドル
国際収支統計:45.6億ドル
また、いつもなら赤字の「サービス収支」が04月は黒転しています(0.1億ドルのかろうじて黒字ですが)。2021年02月に続いて韓国では非常に珍しいことです。2021年02月以前にサービス収支が黒字になったのは、2014年06月までさかのぼらないとないのです。
本当に?と思わないではないですが、この黒字化が今回の経常収支の黒字に貢献しました。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年4月の国際収支(暫定)」
(吉田ハンチング@dcp)