韓国の資源インフラ事業の歪みが露呈しています。韓国の企画財政部が取りまとめた「2020~2025年の中長期財務管理計画」の中に懸念すべき案件が次々見つかり、これが問題視されています。
何度もご紹介していますが、韓国の燃料資源に関する公社は多額の負債を抱えており、普通であればデフォルト>なのですが、公社なので政府が飛ばないようになんとか支えている状況です。
『石炭公社』は毎年1,000億負債が増える
Money1では幾度となくご紹介してきた『石炭公社』の負債は次のように伸びていくと予測されています。
2020~2025年『石炭公社』負債推移・予測
2020年:2兆1,058億ウォン(約2,001億円)
2021年:2兆2,115億ウォン(約2,101億円)
2022年:2兆3,138億ウォン(約2,198億円)
2023年:2兆4,126億ウォン(約2,292億円)
2024年:2兆5,091億ウォン(約2,377億円)
2025年:2兆6,051億ウォン(約2,475億円)
このように毎年約1,000億ウォン(約95億円)ずつ負債が増える予定です。政府が石炭火力発電所を減らす方向で舵を取っていますので、そもそもすでに役目は終わったのでは?という意見もあるのですが、このように赤字がかさむのは、これまでの海外における資源開発の失敗、販売価格を石炭調達価格が上回っているためなどによります。
簡単に言えば政府の施策のせいです。
資源価格が急騰しているのに、その分を反映せず燃料炭などを供給しているのですから赤字にならない方が不思議です。その分、電気代が安く済むなんていう人がいますが、結局政府が赤字を負担しているのですから、税金で補てんされているわけで、同じことです。
『石油公社』は債務超過で負債19兆ウォン
これまたMoney1では何度もご紹介している『石油公社』は、読者の皆さまもご存じのとおり、さらにひどい負債を抱えています。
同様に、以下の負債の増加予測をご覧ください。
2020~2025年『石油公社』負債推移・予測
2020年:18兆6,449億ウォン(約1兆7,712億円)
2021年:19兆5,446億ウォン(約1兆8,567億円)
2022年:19兆7,056億ウォン(約1兆8,720億円)
2023年:18兆8,967億ウォン(約1兆7,952億円)
2024年:19兆941億ウォン(約1兆8,139億円)
2025年:19兆1,600億ウォン(約1兆8,202億円)
『石油公社』は、『石炭公社』より一桁多く負債を抱えています。しかも、何度もご紹介しているとおり、債務超過状態で、バランスシートに資本量がマイナスと記載される資本蚕食に陥っています。
一応、以下が同社の要約貸借対照表です。
⇒参照・引用元:『鉱物資源公社』公式サイト「要約貸借対照表」
1979年に創設された由緒ある公社なのですが、史上初の資本蚕食です。2025年までの負債増加推移を見ると、2023年に負債の増加はいったん止まって、なんとか20兆ウォンには達しないで済みそうですが、2025年には2020年より約5,000億ウォン(約475億円)増える予定です。
『石油公社』の負債がここまで積み上がったのは借金を重ねて資源開発を行ってきたためです。成功すれば利益も出て借金もやがては償却できるのですが、失敗続きであったため資産の売却を行わないといけない状況になっているのです。
このように韓国の燃料・資源インフラを担当するく公社は負債だらけで大変に苦しい状況です。
(吉田ハンチング@dcp)