韓国の半導体企業は好業績を上げています。先に『サムスン電子』が四半期としては初めての70兆ウォン超えの売上を達成したことをご紹介しましたが、残念なことに株価は下落しました。
実は、韓国の有力半導体企業『SKハイニックス』も同様の事態に見舞われています。
「DRAM」の価格がこの先下落し、業績も下がるだろうという予測がでているのが、その理由の一つです。実際、IT調査会社はメモリー半導体がだぶつき在庫調整が開始されると読んでいます。
韓国は半導体製造の中でも、システム半導体の方はさっぱりで、メモリー半導体に特化していますから、このような予測が出ると株価は下がります。
以下の『SKハイニックス』の直近の株価チャートをご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:以下同/日足)。
『SKハイニックス』の株価は下落を続けており、2021年10月08日「終値:9万4,000ウォン」となりました。
直近ではなく、時間軸を引いて見ると以下のようになります。
『SKハイニックス』の株価は年初来最安値を更新し続けており、10月08日時点での株価はなんと2020年11月16日水準まで下がっています。
2022年(ローソク足実体線での)最高値は03月02日の「始値:14万9,000ウォン」ですから、10月08日「終値:9万4,000ウォン」と比較すると、「5万5,000ウォン」(約5,170円)も下がっており、なんと「36.9%」ダウンです。
03月02日始値から10月08日終値までで、実に40兆ウォン(約3兆7,600億円)の時価総額を失ったと計算できます。
フィラデルフィア半導体指数は以下のようになっています。
天井圏からは下がりましたが、それでもまだ一休み状態なだけで、チャート上は再度天井に挑戦できる位置にあります。
『SKハイニックス』は年初来最安値を更新し続けているのですが、半導体製造業の市況的には落ちすぎじゃないのか、という見方ができます。
メモリー半導体に特化し過ぎていること、(対中輸出に依存し自由主義陣営から遠ざかりつつある)韓国の企業であることという条件が下落の要因になっていると見られます。
(吉田ハンチング@dcp)