小ネタかもしれませんが、有力大統領候補とされる人物がこのような発言をして大丈夫なのか、という話です。
韓国最大野党『国民の力』の有力候補となっている洪準杓（ホン・ジュンピョ）さんが（よせばいいのに）韓国株式市場について発言しました。「空売りは廃止すべき」というのです。
本件を報じた韓国メディア『ChosunBiz』から以下に発言を引用します。
（前略）
7日、『国民の力』の大統領候補である洪準杓（ホン・ジュンピョ）議員は、Facebookに「株式空売り制度は、機関投資家が利用する株式の信用制度」「東学アリたちには不利にならざるを得ない誤った株式取引制度」と批判した。続いて「また、株式市場の暴落をさらにあおるという機能障害もある」とし「だから株式空売り制度は廃止されるべきである。私たちの資本市場が投機取引ではなく、健全な投資の場になったらいいだろう」と述べた。
（後略）⇒参照・引用元：『ChosunBiz』「大統領選挙を控え再び火がついた空売り廃止論…野党の大統領選挙候補も『廃止・制限する必要』」
この発言もまたポピュリズムによるものと推測できます。簡単にいえば大衆におもねった発言です。
Money1では何度もご紹介しているとおり、韓国の個人投資家の皆さんはなぜか外国人投資家、また空売りを目の敵にしており、「空売りを禁止しろ」と声高に主張します。
「外国人投資家（あるいは機関）が空売りするから株価が上がらない」という被害妄想的な考えに取り憑かれているのです。
面白いのは、韓国の金融政策を指揮する立場である「金融委員会」は「空売り制度は維持されなければならない」という正しいことを述べている点です。
個人投資家はこのような見解を出す金融委員会も憎いようで、驚くべきことに「金融委員会は解体しろ」というスローガンを掲げたラッピングバスまで街中を走る有り様です。
↑「空売り禁止」「金融委員会は解体」と書かれたバス（「韓国株式投資連合会」の仕立てたもの）
洪さんは、尹錫悦（ユン・ソギョル）前検察総長と並び、多くの支持を集めている人ですが、このような認識だというのが呆れます。洪さんが大統領になり本当に空売りを廃止したら、韓国株式市場は絶対に先進国市場とは認められないでしょう。
「売りボタン」が突如消える中国の方向に走っていくのでしたら特に問題はないかもしれませんが。
(吉田ハンチング＠ｄｃｐ)
